麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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幼児が自ら対応する木下式

大阪の幼稚園に研修にうかがってきました。内容は年中児30名の指導と教諭の研修でした。木下式は指導者の声による模範唱によって刺激を与え、幼児に反応させることに特徴があります。その際、全員が反応したくなるように「高めの声」で手本や模範唱を示すことが鉄則となっています。

e0143522_15475320.jpg訓練を行う過程で幼児は「先生の声に集中する」「先生に注視する」などを身につき、無駄な動きも減っていきます。そのため、「木下式を受けると、行儀が改善される」と言われていますが、実際は「行儀がよくなる」のは子供の身体が育った結果かもしれません。

もちろん、お稽古の途中で隣の子に寄り掛かったり、ちょっかいをかけたりすれば、「行儀」を注意しますし、「まっすぐ立とう」なども伝えます。しかし、幼い時期から「行儀のことばかり」をうるさく言ったら、レッスンができません。手短に必要なことを知らせたら、スムーズにお稽古を開始することを、現場の先生に指導させていただきました。

木下式は導入時には幼児が思わず応えたくなったり、集中したくなる「緊張感のある声」でレッスンをすることになっています。けれど、幼児が成長して、自ら適切な声を出せるようになったら、いつまでも指導者は声を張り上げる必要はありません。幼児が自分で考えて活動できるようになるからです。そうなると、指導者に手本に関係なく、正しい声で歌ったり、音を聴いたりができるようになるのです。そして、このことを、指導する先生自身が、身に付けていただく必要があります。

木下式の効果が高いのは、幼児たちが「音感かるたのカリキュラム」を学ぶことで、日常生活で、話が聞けたり、注意深く見たり、手指を使ったり、身体が育ったり、指示行動ができるようになることです。つまり、音感教育を行うことで、「音楽」から離れた場面で効果が見えるのです。これが、幼稚園、保育園で、「音楽」以外にも「必要な教育」として認識されている理由なのですが、効果を出すためには、教諭のみなさんの努力がとても大切だからこそ、定期的に研修や指導の要請があるのだと思っています。
# by k-onkan | 2017-04-25 23:46 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

何をしたいかは自分次第!

数日間、ネット上で「返還型奨学金(学資ローン)の滞納率の高い大学の偏差値を調べてみた」と題した記事が回ってきました。内容は、国立大学や有名私立を出た人の平均年収は全体的に高く、偏差値が低い大学出身者が全体的に低いことから奨学金を返済するのが難しく滞納率がより高くなるということのようです。個人的には「みんなが大学に行くから自分も……」という理由で、奨学金を借りてまで大学へ行ったら滞納者が増えるのは当然だと感じます。

e0143522_0253361.jpg本来、義務教育ではない大学に行く際には、本人によほど「学びたいこと」「成し遂げたい夢」がなければ、「大学卒業証書」だけにはあまり意味がないと年寄りは思います。でも、実際は「皆も大学へ行くなら、自分も後4年、就職までの時間が欲しい」という気持ちも分かるのです。私も若い頃には、一日も長く学生でいたいと思った未熟ものだからです。しかし、年をとった今だからわかるのは、まっとうな学生は18歳から22歳までの貴重な時間を有意義に過ごすことができていたということです。

奨学金という名の学資ローンの元本は税金です。それを滞納したり、踏み倒す人が増えたら、制度そのものが続かなくなっていくでしょう。お金を借りてまで大学に行って安定した収入が得られる人がわずかなら、無理をして大学に行くより手に職をつけるなど、自分にしかできないことを見つける方が、生きる上で役に立ちそうにも感じます。

一般に「手に職を付ける」というと、「ならば中卒でいいのね。うちの子は漢字も計算も苦手で、いくら教えてもできないから、中卒ならそれでいい」という意見も耳にしたりします。しかし、たとえ、大学に行かないからといって、小学校の勉強はしなくていい、というわけでもありません。この国では何の仕事に就くには最低限、小学校で学ぶ「漢字や計算」は必要だからです。

そして、何があっても、「わが子を大学まで行かせたい」と考える家庭ならば、子供が小さい内から「自分から楽しく好奇心をもって学ぶ習慣」「コツコツ地道に勉強する習慣」を親子で意識する必要があるのかもしれません。
# by k-onkan | 2017-04-24 00:25 | 教育 | Comments(0)

音楽は素晴らしい

先日、「子供時代に音楽を習った人は、習っていない人に比べて、幸福だと感じる率が高い」という話を耳にしたのですが、すぐにインターネットで「大手音楽教室とどこかの大学が協力して集めたリサーチ結果」として、同じ趣旨の記事が回ってきました。音楽にたずさわる人は異口同音「音楽は癒し」と言います。音楽を楽しめる人は、自分の気持ちが折れそうな時も、人の演奏を聴いたり、自分で演奏することで、自己治療できるかもしれません。

e0143522_221324100.jpgそういえば、6年前の東日本大震災の後は、東京中がうす暗くなって、さすがの私もかなり心が折れそうになりました。信じていたものが一気に崩れ落ちたような焦燥感と不安感は今思い出しても、ドキドキしてしまいます。そんな時に救われたのは、ライブハウスで聴いた生演奏、そして、友人に誘われてイヤイヤ付き合ったカラオケでした。それまでの不安は一掃されて「また明日から頑張ろう」と気持ちを変えられたのです。

音楽を学んでも、裕福にはしてくれないかもしれませんが、「幸せ」を敏感に感じ取れる能力を与えられるかもしれません。だから、いつの時代であっても、音楽はなくならないのかもしれません。

そんな話を、小学生のレッスンの時に、4年生のKちゃんにしました。女の子は高学年になると、木下式の発声がしづらくなる時期がやってきます。身体が発達することで、それまでの腹式が急に胸式になり、上手にブレス(息)がとれなくなるのです。自分の身体の変化に慣れるまで、「いつ声がひっくり返るか分からない」という状態で歌うことになります。

私自身、小学6年の頃に同じ経験をしているので、女の子たちの不安な気持ちはよく分かります。しかし、そんな時、心配すればするほど、その不安は確実に的中して失敗して、もっと自分に自信が持てなくなるのです。

なんとか、リラックスして自分の声を出すコツを掴ませたいと思い、こんな話をしました。「大昔、何も無い時代にも、きっと人は歌ったり踊ったりしていたと思うの。なんで、歌ったり、踊ったりしたんだと思う? 先生は、地震や大雨とか天変地異が起きた時に、神様に「どうか守ってください」とお願いするために歌ったり踊ったりして、神様に捧げたのではないかと思うの。神様は、きっと、すごく高い場所にいるでしょ?『高い声を失敗したら、どうしよう』とオドオドしながら歌ったら、絶対に声は高くならないでしょ? だから、高いところへ向かって声を出そう」と思って息を取ってみて?」。

本当か嘘か、分からない想像の話でも、子供はそれをきっかけに高いところを目指して深い息をとることで、難なく声が出ることもあります。でも、心のどこかで、音楽は神様に捧げられるために存在するものだと、確信している自分もいるのです。だからこそ、美しく、心地よいものであって欲しいと願ってしまうのかもしれません。
# by k-onkan | 2017-04-23 22:13 | 音楽 | Comments(0)

立場が違うと正解も違う!

昨日のブログで「凸凹っこの減らず口は集団レッスンでは止める」ことを書きました。それは、家庭で許されることでも社会では許されないことがあることを、知らせたいからです。けれど、一つ、誤解していただきたくないことがあるのです。それは、もし、私たちに、十分な時間がある際には、「1対1」で本人の話を聞くこともあるということです。

e0143522_21481855.jpgお稽古事や学校などの場は、家庭とは存在意義が異なるものです。そのため、特定の子どもが一人だけ、勝手な話を続けると、授業に支障があり、他の生徒から反感を持たれることもあります。私が「凸凹っこ」の誤った言動をキビキビつむのは、他の生徒が不公平を感じさせないためでもあります。

だからといって、家庭では、私がレッスンで取り締まるようにわが子の私語を禁じたり、姿勢を正させていただきたいわけではありません。家庭では子供が話したいことを十分に発言でき、親御さんもそれに耳を傾け、楽しい時間を過ごしたり、スキンシップをとったり、忙しいお父さんと遊ぶ時間も大事だと思います。

子供も大人も、自分の希望がかなえられていないのに、他者のルールだけに従うのは難しいものです。大人が「わが子にこうあってほしい」と願うのと同様に、子供も「お母さん、お父さんにこうあって欲しい」という思いはあるはずです。そして、正解は場所や状況、人間の立場によって変わることもあり、決して正しいことは一つではないと、子供以前に、親御さんには忘れないでいただきたいと思うのです。

これまで、大勢の凸凹の気質お子さんと関わっていますが、その中で一番、劇的に発達をしたと思うYくんは、とても恵まれていたと感じますそれは経済的な余裕以上に人間に恵まれていたと思うのです。わが子のことを思う両親をはじめ、両方の祖父母に親戚、そして、信頼できる幼稚園、小学校、そして、親子二代で通う教室に通えたのは、とてもラッキーでした。

その中には、怒るとこわいけれど、いつも自分のことを考えくれるお母さん、寡黙なところがあって少し怖いお父さん、いつも面白いことをいって笑わせるお祖父さん、無条件で進歩を喜んで甘やかしてくれるお祖母さんたち、厳しいけれど分からないことがあったら絶対に分かるようにフォローする先生、それぞれには異なる役割と関わりがありました。

一般にはいろいろな人がいるので、「親は苦手だから子育てに関わらせたくない」とか「親戚づきあいが嫌」という考えの方もいるようです。しかし、子供の成長と発達に関してだけ考えると、家族の仲がいい、協力して目的に向かって力を合わせられることがマイナスになることはないと感じます。

こう書くと、「身近に祖父母や親戚がおらずに、頼れる人が誰もいないから、うちの子供はもうダメ、発達はしないんだ」とあきらめる人がいるのではと心配になりますが、子供にとって必要な「厳しさも」「甘さも」「優しさも」「面白さも」すべて大事なことを忘れずに、関わっていれば状況に合わせて、子供も成長していくのでは、と感じます。何より、家庭と社会の価値観が異なることを知らせるためには、親御さん自身がそのことを忘れないようにすること、かもしれません。
# by k-onkan | 2017-04-22 21:47 | 発達障害 | Comments(0)

子供の言動に要注意!

低学年に高いIQと凸凹の特性を持つ男児がいます。彼はレッスンの際、みんなで話をしている時に、自分の興味がある話題へ導いたり、何か指摘されると、自分を正当化するために、難しい言葉を使ったりします。私たち大人「幼い子が使う難しい単語」につい感心してしまいますが、ほんの少しでも感心したり、同意すると、「ということは、すべてぼくが正しいということですね」と違う結果へと転がっていきます。

e0143522_19182948.jpgネット上で出合う揚げ足取りや、一般によくいる「モンスターペアレント」などは、まさしくこのタイプで、人の揚げ足をとり、喧嘩をふっかけたり、自分のルールで自己を正当化して迷惑をかけたりしています。しかし、私は将来、生徒にそんな大人に育って欲しくはありません。そこで、子供の減らず口に気が付いたら「今はその話ではありません」「そういう意味ではありません」等、一つずつ「誤解」をつぶすようにしています。

先日、メロディーを種々の音符で五線譜に記す「旋律書き取り」をしていた時のことです。
その男児は他人の何倍もの時間をかけて音符を黒く塗りつぶすのです。私は「そんなにいつまでも塗らないでもっと短く切り上げて!」というと「僕はじっくり丁寧なことが好きなタイプなのです」といい出しました。

自分の時間にじっくり丁寧にやるなら、好きにして!と思いますが、グループで速さを競って聴音する時間に、「丁寧が好きだから」とちっとも急がないのは、あまりに他の人の迷惑です。「みんなが待っていてくれるのだから、早くしてください!」。そう言ってもいっこうに自分を変えるつもりはないようです。そこで、私がピアノを弾く速度をあげてみました。すると、時間内に書き終わらなくなり、「ウウウウ」と恨めしい声を出し私を非難しはじめました。

このまま、私に「不当な目にあった」と恨みだけ持たせるのもいけないので、説明を試みました。「じっくり丁寧が好きと言うけど、例えばあなたのお父様が「3月31日まで」の仕事を丁寧に4月5日までかけてやったら、どうなるか分かる? 次の仕事はなくなることもあります」「つまり、無職ってことですね」「無職の話などしていません。限られた時間ででき上がらないと意味がないこともあるってことです」「いい加減にやっていいということですね」「違います。世の中には丁寧にやっても、3月31日までにきちんとできる人がいるのです。だから、丁寧だから遅くていい!のではなく、少しは急ぐ努力をしなさい」。

凸凹の気質を持ちIQが高いと、IQが低くても苦労するお子さんとは、また違った面倒やご苦労があると感じます。しかし、わが子の様子をよく観察して、子供があらぬ方向へ進まないように、大人もしっかり、見極める必要があるのは、凸凹の特性を持つ子どもの保護者だけではありません。どんな子供にも、勘違いや間違った言動はあるものです。また、自分を正当性して、他人に責任転嫁をするのも、「子ども」の特性かもしれません。親だからこそ、子供の言動を観察して、気づいたら、現行犯で正していきたいものです。
# by k-onkan | 2017-04-21 19:18 | 発達障害 | Comments(0)