麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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カテゴリ:のぞみクラス( 70 )

合宿の思い出もろもろ

合宿中に「みんなのアイドル」だったのは、2歳と0歳の孫弟子ちゃんたちです。2歳のAちゃんは、帰りのバスに乗った途端、「大広間に帰りたい」と涙ぐんでいました。子ども心に合宿が終わってしまうのが寂しかったのでしょう。

e0143522_144399.jpg初日は「ママ、バァバ」と恥ずかしがっていたAちゃんですが、3日目頃からは「お兄さんお姉さんと一緒」が好きになり、後半になると、朝、起きると二階の女子班の部屋まで一人で階段を登ってきて、「お姉さん、おはよう」と起しにきていました。

お姉さんたちは、我先に自分の名前を憶えてほしいと思うのか、「これは誰? K…?」「K美ちゃん」と部分先導をして、自分の名前を概念づける姿がありました。幅広い年齢層の子どもや大人と過ごしたAちゃんは、この5日間で語彙が増えて、言葉がとても鮮明になりました。特に、夏休み前には決して、出なかった「低いド、低いレ」の声も出るようになり、声域は上下ともに拡大したと感じます。

お兄さん、お姉さんの口真似をするので、ずいぶん、おしゃまな発言が増えました。家に帰ったら、きっと、生意気な発言をしてママを悩ますのだろうと少し心配していますが、「小さいから生意気でも可愛い」と容認するのではなく、「その言葉はお友達や大人には使ってはダメよ」などと教える必要もあるかもしれません。

合宿中、男子たちを癒してくれたのは0歳のSくんです。「ボクにSちゃんを抱っこさせて」「俺が抱きたい」と4~5年生が取り合うので、「お人形じゃないんだから。もっと優しく抱いて」と心配になりましたが、Sちゃんはよほどのことがない限り、ニコニコと誰でも抱かせてくれました。

合宿にはSちゃんのために「絵カード」を数冊、持参し、何回かSちゃんのお相手もしましたが、それ以外は何も特別なことをしたわけではありません。それでも、お母さんの膝の上で、お母さんが手に持つ食器や食べ物を目で追うだけでも、一日中、天井だけを見て寝かせられることに比べたら、すべてが刺激であり、学んでいるのだと、勉強になりました。

特に驚いたのは、4日目の昼休みに、ご両親とお祖母さんが、「先生たちのスタンツ」の練習のために別室に行ってしまった後のことです。普段、誰に抱かれてもニコニコしているSちゃんが、毎週、レッスンで会っている私に抱かれても愚図ってしまいます。赤ちゃんでも、同じ部屋に親族がいるか、いないかを察知する能力があるのでしょう。たった5ヶ月の赤ちゃんに、何が分かるのか、と大人は思いますが、動物的な勘で、親族から引き離されたら、こんなに抵抗するのです。どんなに、親御さんが忙しくても、0~1歳の乳児のころは、できるなら、親元で育ててほしいと願わずにはいられません。

これからの時代は、益々、両親が働いて、子どもたちは、預けられて育つことが増えていくのでしょう。その分、子どもたちが愛情に飢えていて、スキンシップやいろいろな説明を親以外の人に求める時代になっていくのかもしれません。それでも、親子の関係をできるだけ、大事にしてほしいと思うのです。
by k-onkan | 2017-08-01 23:41 | のぞみクラス | Comments(0)

1歳男児だって分かることは多い!

数週間前に、のぞみクラスに来ると「教室に入りたくない」と大泣きして、お母さんを困らせていた1歳6か月の男の子が、すっかり落ち着いて、機嫌よく教室に入り、鉄棒をしたり、知育教材をしたり、すっかり、賢そうになっていました。椅子に座ったので、「手はおひざ」というと、サッと膝に両手をのせたので、私はとても嬉しくなり、高い声で「おりこうになったね~。先生は嬉しいなぁ」と褒め続けました。

e0143522_2052220.jpgなぜなら、その前の週は、自分が落としたものを「拾って」と声をかけると、「拾わせられること」が負けだというかのように、落ちていたものを蹴っ飛ばして見せたのです。私は、その子の手を持って、「自分で落としたんだから、拾うのは当たり前。お母さんにウーと言って、取らせてはダメよ」と一緒に拾いましたが、男の子は最後まで明らかに怒っていました。

その子が素直に机に座り、手を膝にしたり、落ちた銀杏を自分で拾っているのです。その姿は別人のようでした。その後も、指示に従う度に、「おりこうちゃんだね~」「先生の言葉が分かるんだね」「嬉しいなぁ」と高い声で褒めているうちに、男児はどんどんドヤ顔になり、「もっと褒められよう」と行動するようになりました。これこそが、自己肯定感が上がるということなのでしょう。

ただし、幼児ももう少し物事が理解できると、「3歳だから、もうお姉さんだし、できるもんね~」などといって褒め過ぎる大人を下に見る時期も訪れます。でも、1~2歳の内は、大人の言葉に従ったら、言葉を理解したことを喜ぶ、ということを繰り返すことで、一緒に生活するのに、不愉快でない幼児になっていくと感じます。

実は、男の子の脳の発達は、同年齢の女の子と比べ1年から1年半の発達差があると言われています。そのため、この子が多少、ワガママを言っても「男児だから仕方ないのかもしれない」と、私もこれまでは受け入れていました。しかし、冷静に考えると、甥たちは1歳半の頃には指示行動ができ、もう少し大人の言葉を理解することができたので、お母さんには家庭での「関わり方」を替えていただくようにお願いしたのです。

幼稚園教諭の経験があるお母さんは、わが子の気持ちが誰よりもよく分かる分、本人の「したい気持ち」と、大人の都合に合わせさせることに、抵抗があるように見えました。そのため、わが子がダメなことをしても、はっきり「ダメ」というより、「理由づけ」や「説明」をしてしまいます。しかし、動物的な男児には、説明が多いことで、かえって「ママが何を望んでいるか」が分かりにくくなってしまいます。

どんなに年齢が低い子どもでも、「誰が自分のいうことをきく相手」で、「誰は自分が従わなければならない相手」かを、見抜くことができます。この男の子は、お父さんに「ダメだ」と言われれば、いつまでもメソメソせずに、お母さんから離れてベッドに行くことができるそうですが、ママだと、メソメソしたり、癇癪を起こして、いいなりにしていたようです。

そこで、お母さんにも、お父さんのようにメリハリをもって「指示行動に従ったら、高い声で可愛く喜ぶこと」をお願いしました。指示行動といっても、やみくもに大人の都合に従わせるのではなく、自分が落としたものを「拾って」、自分のおもちゃを「出して」、オムツが不快になったら、「替えよう」などの言葉がけに対して、今、他のことをしているから、「イヤイヤ」ではなく、素直に受け入れられるように生活していただいたのです。それが、功を奏して、今日は充実した時間になったようです。

たとえ、1~2歳という幼い年齢であっても、一緒に暮らす「お母さん」の指示に従えない子どもは、その後、幼稚園や小学校に入っても、先生や友達とうまくできない可能性があります。また、どんなに自分を愛し、自分の気持ちを理解するお母さんであっても、悪いことをしたらわが子を叱れる存在でいることは、子どものためにとても重要なことだと感じるのです。
by k-onkan | 2017-07-12 22:50 | のぞみクラス | Comments(0)

小さくても男の子育ては難しい

1歳ごろの男児を預かっていると、「子育ては難しい」と感じます。赤ちゃんだった頃は、お母さんのひざの上で、じっとして動向を見ていた「いい子」が、歩けるようになった途端、自分の好きなように動きまわり、大人のいうことは「イヤイヤ」といいだしたりするからです。

e0143522_13231539.jpgこの時期に「大人のいうことを聞かない」と言って叩いたり、束縛しようものなら、親元から逃げ出しそうとするでしょう。子供の感情や気持ちに気付かずに、叩いたり、おどかしていると、子どもが荒んだり、反抗的な態度をとるようになってしまいます。

反対に、お母さんが、子どもの気持ちをよく理解して、なんでも言いなりになっていると、今度はどんどん傍若無人になり、益々、扱いが難しくなってしまいます。いくら、0歳から2歳は好奇心を刺激して、学ぶことや経験することを「楽しい」と感じさせることが大事と言っても、あまりにわがままなことを言ったり、お母さんへの八つ当たりが過ぎたら、きちんと「ダメ」ということが大事です。

この時期に小さなわがままを全て容認された子どもは、3歳以降に「誰のいうことも聞かない」「指示行動ができない」「集団生活ができない」こともあるかもしれません。もしかすると、幼稚園等で先生に注意されたり、よその親御さんからクレームを受けることも、想定しておく必要もあるでしょう。

そこで、大切なことは、0~2歳であっても、平素からたくさん言葉を話しかけて、お母さんが言っていることを理解できるようにしておくことです。その上で、お母さんが「~を持ってきて」とか「~をひろって」等、意識的に、「言ったこと、頼んだことをすぐにする」体現する練習をしたいものです。

幼児が指示に従って行動した際には、「親が言った言葉に子どもが従うのは当然」などと思わず、「ありがとう。おりこうだね」「よく分かったね」と、子どもが言葉を理解して従ったことを心の底から喜び、高く優しい声で、口角をあげて「お母さんは喜んでいる」と感じさせることが大事です。この時、どんなに穏やかな声でも、低音で「がんばったね」「かしこいね」と言われても、褒められている気がしないので、ママ特有の可愛い声を出したいものです。

子どもが幼稚園や小学校に入って、「先生の指示に従ったり、言われたことを素直に取り組む」ための習慣は、0歳から始まっています。たとえ、「言葉が分からない赤ちゃん」であっても、時に、全ての願いが叶えられないこと、諦めるべき時があると知る機会は大事です。お母さんは、いつもいつも、子どもの気持ちを慮るばかりではなく、「今は、ちょっと手が離せないから待ってね」と、時には「待つこと」を経験させることも、しつけの一つではないでしょうか。
by k-onkan | 2017-06-28 23:20 | のぞみクラス | Comments(0)

手指や体を使って遊ぼう!

女の子を育てた後に男の子を育てると、その不器用さに驚くとききます。これは、脳の成長差にも一因があるようです。脳医学の先生によると、幼児期の女児と男児では脳の成長に1年から1年半の差があるからです。

e0143522_18483246.jpg脳は身体や手指を動かすことによって刺激を受けて発達が促されます。そして、その適時が、3歳から5歳の幼児期なのです。将来、自分がしたいと思うことが自在にできる身体や手指を育てたいものです。

幼児期の男の子は誰もが「自分が一番になりたい」という希望をもっています。「男の子は不器用だから…」と手先を使うことを諦めるのではなく、せめて、同年代の男児の中では人並みに手指や身体が動かせるようにしておきたいものです。

最近、うかがった話では、都内で偏差値が高いある中高一貫校では脳の発達のために、毎朝、運針をする時間があるそうです。他にもピアノやそろばんなどが、脳の発達に役立つことで知られています。しかし、こうした課題を習得するためには、幼児期のもっと早期に、もっと簡単な手先を使う課題が吸収されている必要を感じています。

小さいものをつまんだり、つかんだり、鉄棒にぶら下がったり、転がってくるボールをとらえるなど、遊びの中で、手指や身体を使う機会を持ってほしいと思います。子どもは成長して、身体が大きくなり、自分の体重が重くなれば、なるほど、身体を動かすことは、難しくなっていくのですから――。
by k-onkan | 2017-06-07 23:46 | のぞみクラス | Comments(0)

パパは私の彼だから・・・・・

2歳4ヶ月の娘から「ママよりパパが好き」といわれると、「あれほど、お腹を痛めて生んだのにと思って冷静でいられない」と悩む保護者であり卒業生のお母さんがいます。夫婦ともに楽院の卒業生で、お父さんは若いころから年少者の面倒を見るのが得意で、学生時代は、よく合宿の引率も手伝ってくれていました。

e0143522_207168.jpg
そんな男性の娘として、可愛がられていたら、「パパが好き」というのも当然ですが、お母さんは、やはり心おだやかではいられないようです。瑠音先生が一生懸命、「女の子は、みんなそんなところはあるから、あまり、真剣に受け取り過ぎないで……」と慰めている姿を見かけました。

実は、私も以前、「私も母より父が好きだったから、その気持ちは分かる。女の子にとって可愛がってくれる父親は口うるさい母親より近しい。時にお母さんの気持ちを逆なですると分かっていても『ママよりパパが好き』と言ってしまうこともある。優しいお母さんに対する甘えもあるし、自分も方がパパの気持ちが分かると感じたりもするし……」と、慰めにもならないことを言ったことがありました。

でも、瑠音先生の解説の方がもっと現実的でした。「私も子どもの頃、『パパとママと、どっちが好きだ?』と聞かれたら、『パパ』と答えていたよ。だってパパに『パパ』と言わないと悪いような気がしたし、そう言ったらパパが喜ぶのも知っていたもの。でも、ママはそんなことを言わなくても平気だと思っていたわ」。

私と瑠音先生は、子ども時代に「パパとママ、どっちが好きだ?」という質問に、「パパ」と同じ答えをしていたようですが、その中身は少し違ったようです。私は心底「パパの方が好き」と思っていたのですが、妹は「そう言った方が喜ぶ。ママは言わなくても大丈夫。でも、本当は両方!」と思っていたということなのでしょう。

どおりで私より瑠音先生の方が女子力が高いはずです。そして、こんなことをいう娘に母は「私の彼ってパパなのよ」という歌詞を作り、父が作曲して、今でも、子供たちに歌いつがれている童謡が「パパは私の彼」なのです。この2歳4か月の女の子にも、いつか、「わたしの彼ってパパなのよ」と歌わせて、お父さんを感激の涙に濡らしてみたいと、願っている私たちなのでした。
by k-onkan | 2017-06-03 20:19 | のぞみクラス | Comments(0)

0歳、1歳、2歳のしつけは異なる!

2歳児の女の子と戦った直後に、1歳半の男児を持つ卒業生ママから、「いつになったら、「ダメなことはダメ」を教え始められるの?」という質問を受けました。私の答えは「人間らしくなったら!」です。では、何をもって「人間らしい」というのでしょうか。それは、子どもが自分のやりたいことや言いたいことを、自分の言葉で伝えられるようになって、まわりの人間の上下関係も理解していると確信できたら、と、個人的には感じています。

e0143522_20371495.jpgたとえば、「落としたら、ママ、怒るよね~」と言いながら、物を落としたり、「パパに言っちゃうよ」とか、「ママ、今日、泣いたんだよ。それで、赤ちゃんがびっくりして、もっと泣いた」等など、2歳であってもこれだけのことを言えたりするのです。それだけ、いろいろなことに気付き、表現できるなら、「ダメなことをダメ」といった後に、叱られた理由を説明しても理解はできるはずです。

たくさん話しかけ、絵本を読み、意思疎通ができるようになった1歳の子どもは、それなりに話が通じるようになっているものですが、それは、大切に飼っているワンちゃん、猫ちゃんと飼い主が、分かり合えている程度の意思疎通ではないでしょうか。

0-1歳の子の表現は、喉がかわいた時に、哺乳瓶をギュギュとにぎる仕草で知らせたり、帰り際に「バイバイ」という声に手を振ったり、人間に近づいてきているといっても、まだまだ、一方通行です。何より、「暑い、眠い、お腹がすいた、疲れた」など生理的現象はすべてを「ホギャー」と泣いて表現しているうちは、赤ちゃんなので、「ダメなものはダメ」と言っても、かえって泣き方が増すだけのように思います。

人間の赤ちゃんも、ペットの犬や猫のように、大人が全面的に世話をしている間は、まだ、発展途上といえるかもしれません。そして、その時期は、子ども生活を心地よくするために、大人が心をくだいたり、十分に、手をかけることは、決して、甘やかしではなく、それをしないと、命の危険があるということです。

ただし、0歳には0歳。1歳には1歳。2歳には2歳と、それぞれの時期に外せないしつけはあると思います。たとえば、動物の親なら、子がおっぱいを噛んだら、噛み返して痛みを教えます。とても動物的ですが、人間も髪をひっぱったり、たたいたりしたら、それが、故意でなくても、「痛い、ダメ」と教えることはできるはずです。

また、赤ちゃんでも、「人間の上下関係」を教えることは、大事だと感じます。赤ちゃんだからといって、なんでも赤ちゃんの都合を中心に生活をまわす必要はないと思います。時に、泣いている赤ちゃんを少しだけ待たせ、お父さんの用事を優先することがあるのも大事な経験です。ペットと同じで、家庭内の順列知らせることは、重要です。

そして、大事なことは、しつけは、わが子を親が意のままに操るのではなく、お互いに、受け入れ、赦し、共存するために、相互に良好な信頼関係を築く必要があると思うのです。そこには、親だからと一方的に絶対服従を強制したり、子どもだからとなんでもわがまま放題を許されたりという不自然なことは、あってはいけないように思うのです。
by k-onkan | 2017-06-02 20:17 | のぞみクラス | Comments(0)

2歳児だって賢くてよく分かる!

今朝は2歳7ヶ月の女の子と本気で向き合う機会がありました。そのお嬢さんは、先週からお母さんと離れて、音感のレッスンを始めたばかり。実は、最近、レッスンが始まるとお母さんに「やりたくない」「やだ」と駄々をこねて、それまでできたことも、「やらないで済ませる」ことが増えてきたのです。このまま、本人の「いや」を受け入れると、今後、一切、気分が乗らないことは、やらないでいいことになってしまうでしょう。

e0143522_207281.jpgそこで、先週から、お母さんにはロビーから見学していただき、先生と生徒の二人でレッスンをはじめたのです。初回は、お母さんが部屋を出られると、すぐに気分を変えて頑張りましたが、二回目の今日は、「いかにたいへんか」を知っている分、どうにかお母さんを部屋に引き留めようと、2歳児なりに知恵を絞ったようです。

最初は、ふだん苦手な「運動」を「ママとやる」とたいへん熱心に取り組みました。体操が終わり、お母さんが退出して、「音感のお稽古」を始めようとすると、本人が「暗い部屋に行く」と言い出しました。最初は「なぜ、いきなり暗い部屋に行きたがるのだろう」と不思議でしたが、これまで、駄々をこねて暗い部屋に行っても「ちゃんとやる」と約束すると、教室にママが待っていたため、「暗い部屋に行けばママが部屋にくる」と思ったのかもしれません。

しかし、暗い部屋から帰ってもお母さんは出てきません。「ママ、ママ」と泣きはじめたので、「頑張ったら、ママを呼ぶから、とりあえず、やることをやろう」と促しましたが気分は変えられません。そこで、抱っこして長い廊下を歩いてみました。ちょうど職員室には木下先生もいたので、普段、入ったことがない職員室に入ったところ、突然、火がついたように泣き始めました。

これまで、大勢の子どもを、「ライオンの部屋」と称して、職員室に連れていきましたが、これほど大人を威嚇する泣き声を出した子は数名しかいません。それほど、自分をさらけさせるのは、何をしても親御さんに絶対的に愛されていると確信が持てる幸せなお子さんでもあります。

ですが、ここで負けるわけにはいかないので、「楽院は泣いても、威嚇しても、やることをやらないなら終わらないこと」を教えるために、「落ち着きなさい。泣いてもどうにもならない。やると、約束したのだから、やりなさい」と、厳しい声で言い聞かせました。

一般の方は、「2歳児にひどい!」と思われるかもしれませんが、1歳から母子同伴で幼児教育を受け、愛着も十分に育っている2歳半の子どもは、一般の年中児なみに言葉が発達しています。自分の意思もちゃんと表明できる子が、いくら、願いがかなわらないからといって気が違ったように泣き叫び、威嚇するのは受け入れられません。

年齢が小さくても、ときに「自分の意に沿わないことでも、ときに受け入れるべき時があること」、そして、「やりたくなくても、やらなければいけないことがあること」を教えるべきなのは、その経験が自分を律し、その子の前頭前野を鍛えることになるからです。

一般には、幼児を叱らずに、上手に気分を変えさせ大人の望む方向へと導くお母さんも多くいらっしゃいます。子どもを叱る必要がなく、お母さんのストレスが少ないように見えますが、その方法はいつか壁にぶつかってしまいます。なぜなら、親であっても、「子どもの意に添わぬこと」をいつでも取り除けるわけではないからです。

叱られることなく、常に親御さんが状況を整えたり、気分を変えてプラスに転じてもらうのが当たり前に育った子どもは、大人になっても、それを親に求め続けます。時に、子どもの意に添わないことが起きると、その責任を親や社会に転嫁してしまうこともあるでしょう。また、思春期にの難しい時期だと、精神的に追い詰められてしまうこともあります。できれば、身体が小さいうちに、「自分のわがままがいつも通るわけではない」「親でもどうしてやることもできないことがある」と教えておきたいものです。

職員室で大泣きして、それでも私が負けないと分かり、どうにか、最後まで授業を行うことができました。途中で、「私」との力関係は、自分が上ではないと気づくと、一生懸命、私に「もう泣いていないからね」「これが終わったら、おやつ食べようね」と私の機嫌をよくしようと、一生懸命、言ってくれます。きっと、お母さんがしてくれるように、私の気分を直してくれているのでしょう。

子どもが「わがまま」を出した時に、大人が笑って受け入れるのか、絶対に何があっても、「ダメ」を貫くのか、その心意気は、2歳児でも見ています。だからこそ、「この相手なら、大丈夫」と足元を見られないように、しなければと思うのです。
by k-onkan | 2017-06-01 23:06 | のぞみクラス | Comments(0)

バランスボールがきました!

望クラスの教室に、ピンクのバランスボールが増えました。1-2歳の赤ちゃんだと、ボールに全身が隠れてしまうほど、大きくて、怖がるかと思いましたが、幼児たちは臆せず、ボールに近づいて、押したり、転がしたりと楽しんでいます。子どもは丸くて動くものがとても好きなようです。

e0143522_18165049.jpg「音感の教室なのにどんどん、体操器具が増えていくね」とお母さんになったOGから笑われますが、聴覚、視覚、身体感覚を同時に使って音感を習得する「木下式」を実践するためには、それ以前に、幼児の身体機能が十分に発達していることが、不可欠なのです。

最近、「ボールを追うことが書字識字に関係ある」というお話を伺ったので、3歳児のクラスではよくボールの投げっこをしています。その中に、ボールが床を跳ねる音を耳にすると、反射的に目をつぶり、身体をよじるお子さんを見つけました。私自身、幼い頃、左右の視力に大きな差があり、ボール投げが苦手でした。でも、大きいボールや風船なら、楽しい気持ちで関われたことから、このお子さんのために、バランスボールを購入することにしたのです。

大きなバランスボールは、少し、はずみをつけて投げても、床を打つ音がドッチボールに比べて鈍いためか、その子は反射的には目をつぶらないようでした。また、自分より大きいボールの動きは遅く見えるのか、全身でバランスボールにおおいかぶさり、捕まえられるようです。

バランスボールに身体を預けて、ゆらゆらしたり、素筋を伸ばしたり、一通り、楽しんだ後に、ドッチボールでもボール投げをしてみました。バランスボールで慣れたのか、どっちボールも、少し目に入るようになっていました。大人には、些細なことに見えるのかもしれませんが、いろいろな体験を通して、目や耳の使い方は、どんどん、変わっていくのだと感じた出来事でした。
by k-onkan | 2017-05-26 23:05 | のぞみクラス | Comments(0)

大人にも感情や都合がある

2歳4ヶ月のAちゃんが、赤ちゃん返りから、次の段階に移ったようです。それは、とにかく、少しでも、傷つくことを言われたら、先に泣いて叱られないようにする、という方法です。大人たちは、ずっと、「下が生まれたから」と気を使ってきました。でも、そろそろ、愛情を取られて悲しいからと言って「何をしてもいいわけではない」ということ、そして、本人だけでなく、まわりの人、親御さんや先生、友達にも感情や都合がある、ということを知らせる時期です。

e0143522_12353238.jpg「そこは靴を脱いでね」と言われてもギャー。「それは、小さい子のだから、自分で取らせてあげて」。「良かれ」と思ってやっていること、本人は「悪い」と思っていなくても、他の人の意やその場所のルールに反してしまっていることは、よくあることです。その度に、繊細に傷つき、泣いていたら、誰も本当のことはいえなくなります。

その日、何度かめに泣いた時に、別室に出て、「たいしたことがないのに、いつも泣いていると、なまはげという怖いものがいて、『泣く子はいねぇか?』と探しに来るのよ。だから、簡単に泣いてはダメよ。Aちゃんが連れていかれたら、困るから、泣くのはやめてね。」と静かに言って聞かせました。

果たして、「なまはげの話」に効果があるかは、分かりませんが、「しつけ」というのは、幼い子どもだからといっていつまでも何でも許されるものではなく、まわりの人にも、感情や都合があることを、知らせるという意味合いもあると、私たちは感じます。

よく、子どもに、こうした決まり事を徹底すると、「幼児なのにかわいそうに」「やがて分かる時が来る」という大人もいると感じます。けれど、習慣というものは、長く続けば続くほど改善が難しいものです。将来、大きくなってから、よそで手厳しく「わかる時」が来るより、愛情がある人から早々に「ダメなことはダメ」とぴしゃりと言って、外では、最低限、話しを聞いたり、様子をみて判断できるようにしてから、外に出したいと思っているのです。

大人になっても、泣いてごまかしたり、言い訳をしてごまかしたり、相手に責任を押し付けたりなど、子ども時代の癖が抜けない人はたくさんいるかもしれません。でも、大人になれば、もうそこまで、とことん、付き合ってくれる人はいないかもしれません。ならば、親元にいる小さい内から少しずつ、気づいた人が、改善していたら、大人になって、そこまで苦労することはないかもしれません。
by k-onkan | 2017-05-17 23:31 | のぞみクラス | Comments(0)

継続は力になる

日曜日は毎月恒例の津市の教室の指導にうかがいました。小学4年生のクラス、赤ちゃんクラス、年少児クラス、シニアクラスと盛りだくさんの一日でした。その中で、強く感じたのは、「継続は力」ということでした。年少のTちゃんは、月1回のベビークラスを経て、1歳10ヶ月ごろから毎週、音感の勉強を始めました。その間、お母さんから離れてレッスンを行ってきたそうです。しかし、せっかくの機会だったので、お母さんにレッスンを見ていただきました。その感想は、「地道にコツコツ、続けると、こんなにできるようになるのだと驚いた」ということでした。

e0143522_20435791.jpg1年数か月前はベビークラスで他のお子さんと一緒にかるたを取りに行くという課題をしていました。その際、「同じかるたを取ってくること」が理解できなかったのか、わざと、違うかるたが取りたかったのか、とにかく、お母さんをがっかりさせていたのがTちゃんだったのです。その子が今では、音感かるたの意味づけを覚え、歌唱曲を歌い、音符の読み書きをしているのですから、確かに、地道に続けることで身につく能力は、ばかにできないと私も思います。

でも、その間、「音感かるたで立って聴くことが疲れる」とか「今日は幼稚園がたいへんだったから、音感はしたくない気分だ」といろいろなことを言って、お母さんを困らせた日があったはずなのです。

時には、指導するK先生の方が「こんなにダラダラと取り組ませていいのだろうか」と悩んだこともあったでしょう。それでも、毎週、コツコツ続けていたら、苦手だったかるたの説明も集中して聴き、不安定だった体幹はしっかりと育ち、お腹の底からいい声が出るようになったのです。これもまた、1歳から赤ちゃんクラスで、いろいろな経験を積んだ成果ではないかと思います。但し、子どもの成長は、喜んだと思うと、がっかりすることの連続で、これからも、親御さんは子供に一喜一憂させられながら、成長を見守っていただきたいと思うのです。
by k-onkan | 2017-05-14 20:42 | のぞみクラス | Comments(0)