麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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カテゴリ:音楽( 117 )

音楽は素晴らしい

先日、「子供時代に音楽を習った人は、習っていない人に比べて、幸福だと感じる率が高い」という話を耳にしたのですが、すぐにインターネットで「大手音楽教室とどこかの大学が協力して集めたリサーチ結果」として、同じ趣旨の記事が回ってきました。音楽にたずさわる人は異口同音「音楽は癒し」と言います。音楽を楽しめる人は、自分の気持ちが折れそうな時も、人の演奏を聴いたり、自分で演奏することで、自己治療できるかもしれません。

e0143522_221324100.jpgそういえば、6年前の東日本大震災の後は、東京中がうす暗くなって、さすがの私もかなり心が折れそうになりました。信じていたものが一気に崩れ落ちたような焦燥感と不安感は今思い出しても、ドキドキしてしまいます。そんな時に救われたのは、ライブハウスで聴いた生演奏、そして、友人に誘われてイヤイヤ付き合ったカラオケでした。それまでの不安は一掃されて「また明日から頑張ろう」と気持ちを変えられたのです。

音楽を学んでも、裕福にはしてくれないかもしれませんが、「幸せ」を敏感に感じ取れる能力を与えられるかもしれません。だから、いつの時代であっても、音楽はなくならないのかもしれません。

そんな話を、小学生のレッスンの時に、4年生のKちゃんにしました。女の子は高学年になると、木下式の発声がしづらくなる時期がやってきます。身体が発達することで、それまでの腹式が急に胸式になり、上手にブレス(息)がとれなくなるのです。自分の身体の変化に慣れるまで、「いつ声がひっくり返るか分からない」という状態で歌うことになります。

私自身、小学6年の頃に同じ経験をしているので、女の子たちの不安な気持ちはよく分かります。しかし、そんな時、心配すればするほど、その不安は確実に的中して失敗して、もっと自分に自信が持てなくなるのです。

なんとか、リラックスして自分の声を出すコツを掴ませたいと思い、こんな話をしました。「大昔、何も無い時代にも、きっと人は歌ったり踊ったりしていたと思うの。なんで、歌ったり、踊ったりしたんだと思う? 先生は、地震や大雨とか天変地異が起きた時に、神様に「どうか守ってください」とお願いするために歌ったり踊ったりして、神様に捧げたのではないかと思うの。神様は、きっと、すごく高い場所にいるでしょ?『高い声を失敗したら、どうしよう』とオドオドしながら歌ったら、絶対に声は高くならないでしょ? だから、高いところへ向かって声を出そう」と思って息を取ってみて?」。

本当か嘘か、分からない想像の話でも、子供はそれをきっかけに高いところを目指して深い息をとることで、難なく声が出ることもあります。でも、心のどこかで、音楽は神様に捧げられるために存在するものだと、確信している自分もいるのです。だからこそ、美しく、心地よいものであって欲しいと願ってしまうのかもしれません。
by k-onkan | 2017-04-23 22:13 | 音楽 | Comments(0)

大切にするから厳しいのかも

何気なく、木下式のホームページのチェックをしている際に、インターエデュという教育関係のサイトに「年少の息子のために、音楽教室を探しています木下音感楽院とY音楽教室の違いを教えてください」という文字を見つけてしまいました。きっと「厳しい、怖い」と書かれているのだろうと、心の準備をしてみると、そこには「見学をされると、まったく違うことが分かると思います。木下式は近所のピアノの先生が採り入れてたくさん優秀な人を育てていると評判の教育法です」と好意的なことが書かれていました。

e0143522_934342.jpg私のブログもそうですが、良くも悪くも「本当のこと」を書いているつもりです。その私がいうのも恥ずかしいですが、「これほどまでに個々人を大事にする教室」だと思っています。ただ、個々人を大事にするというのは、全員を甘やかすという意味ではなく、個々人を大切にするからこそ、それぞれに厳しい教室だと思っています。

たとえば、凸凹があったり、母国語が日本語でないなど、手助けが必要な事情があれば、積極的に、手を貸し、他のお子さんとの差をなくす努力をしますが、それは、あくまでも「一人立ち」が目的であり、ただ、保護しているわけではありません。ですから、事情がある親子にとっても、チャレンジであり、つらいことも多いと思います。

反対に、自分でしっかりできている方には、「あの子にばかり、手を貸すのは、ずるい私にももっと手をかけて!」と不満に思われるかもしれませんが、「自分でできるのだから、しっかりやってください」と申し上げることもあるはずです。これを「冷たい」と感じる方もあるでしょうが、できている人に手を貸し過ぎると、本来、自分でできたこともできなくなってしまうのは、能力を最大限に引き出す、というお約束から離れてしまうのです。

ここで、最初の「木下音感楽院と大手音楽教室の違いは?」という問いに戻り、私が簡潔にお答えするなら「音楽と真剣に向き合わせ、一生ものの音楽能力を身に付ける教室と誰でも気軽に音楽と親しむ雰囲気を味わえるフレンドリーな教室」だと思っています。数年前、家庭でまったく練習せず、楽譜も持たずに通えるピアノ教室が長蛇の列を作るほど、人気があるという記事を見かけたことがありますが、楽院はその対極にあると思います。

子どもに音楽の能力をつけるために、必要であれば、たとえ生徒と保護者に迷惑がられても踏み込んで教えます。それゆえに、親御さんが期待した以上の能力をつけて卒業されることもあるでしょう。また、音楽を学ぶ過程で身に付いたさまざまな能力が、社会に出て必要だったと、実感すると、「自分の子どもにも」と親子二代で通う方も多くいる、そんなちょっと変わった音楽教室が、木下音感楽院です。
by k-onkan | 2017-03-22 23:33 | 音楽 | Comments(0)

口パクなんて、とんでもない!

音楽祭が間近に迫る中、前日のリハーサルについて、無理は承知でご家庭にお願いをしています。それは、音楽祭に出演するお子さんは何があってもリハーサルには出席していただきたいということです。

e0143522_20531314.jpg音楽の専門家であっても、いえ、専門家だからこそリハーサルをせずにいきなり舞台に立つなどということは、あり得ないことです。まして、素人で年端もいかない子どもたちの団体です。リハーサルに参加できないなら、本番の出演も見合わせなければなりません。

私学に通う生徒が多い楽院では土曜日の午前中に授業があったり、この時期、卒業前のスキー合宿があるお子さんも多くいます。けれど、「学校がある」といってリハーサルを欠席して、2000人の観客が入る本格的なコンサートホールで行う音楽会で失敗したら、傷つくのは親御さんより子どもたちです。どうか、子どもたちのために学校に頭を下げていただき、欠席早退届けを出していただけるようお願いしています。

私学に通われる方は、「音楽会より学校の方を大事にしたい」と考えられるものかもしれません。しかし、リハーサルに出ないことで大きな失敗をしたら、そのショックは計り知れません。特にお休みなく通ってきた他のお子さんには大迷惑です。どんなに最善を尽くしても何があるか分からないのが本番だからこそ、できることはすべて手を尽くしておきたいのです。

合同音楽祭で歌う合唱曲は各園から選抜された幼児たちが歌うため、小学生にも難しい作品が選曲されています。楽院でも他の人より後から音感を始めた1年生のMくんには難しく、上級生と一緒にあわせると正しい音程で歌えませんでした。しかし、毎週、一人づつ歌って練習して、上級生の歌声を聴くうちに音程が正しくなってきたのです。

ただ心配なのは、「先生の指揮を見たり、友達と合わせられないこと」でした。時々、一人だけ、指揮を見ずに声が飛び出したり、合図を見て声を止められず、わる目立ちし、「今はMくんが違った!」と人より多く注意を受けていたのでした。Mくんのような子こそ、リハーサルは一日、友達や先生と心を合わせ、音楽祭に向かっていく心の準備が大事なのですが、Mくんも土曜日は授業がある学校に通っているのです。

さて、今日はMくんを含む低学年のレッスンがありました。細かな練習ができる最後のチャンスなので、音楽祭で歌う7曲すべてを一人ずつ、全員が歌いました。その間、歌っていない子は、手持無沙汰になるので、歌詞を全て母音「アエイオウ」に置き換えて、口型を見せ合うという遊びをしました。すると、Mくんが「これは、口パクの練習ということですね?」と言い出しました。私は「とんでもない。これは、口パクをするためじゃなくて、声を出して正しい母音で歌うための練習なのよ。せっかくカメラやビデオで撮影しても、口の形が悪い人は、格好悪いでしょ?それに、口型を覚えるともっと上手になれるのよ」と説明しました。

そのとき「口パクなんて、教えたことがないのに、一体、どこで覚えたのだろう」と不思議に思っていたのです。その理由は後になって、分かりました。先週、お迎えに来られたお父さんはMくんの歌う姿を見て「Mは口パクだろう」と思われたというのです。これまで、みんなの中で、一人だけ飛び出したり、違う声を出したりして、注意が絶えなかったMくんが口パクに見えていたとしたら、それは、「違う声を出したり、飛び出したりしなくなって進歩した」ということなのです。

合唱で求められることは、大勢の中で誰か一人のうた声が突出して聞こえることではありません。全員の声があたかも一本の声のように聞こえることが、「合唱の美しさ」であり、悪目立ちをするのは、決して褒められることではありません。口パクなんてトンデモナイ!! Mくんもちゃんと7曲全部、一人で歌えるよういなっているのです。今度、お父さんがお迎えに来られたら、是非、一人で歌っているMくんの様子をお見せしなければと思ったのでした。

by k-onkan | 2017-02-15 23:52 | 音楽 | Comments(0)

磨かなければ光らない!

音楽祭の指導のため、木下先生と新幹線に乗って東海地方に出かけました。その幼稚園で、とても興味深いことがありました。それは、11月に視察にうかがった時には、「歌うこと」にまったく興味を示さず、全然集中できなかったグループの中に、話声位(話し声の高さ)の高い子が増えて、歌が上手になった子が増えてきたことでした。

e0143522_2304168.jpg一生懸命、取り組んだから上手になったのか、上手になったから意欲に満ち溢れているのかはわかりませんが、子どもは「認められたい」と思うと、自然と取り組む姿勢に意欲が見えるようになるようです。背筋は伸び、手先をピンとして、一生懸命、口を開ける姿に、子どもの向上心が現れています。「もっと早くその姿を見せたら、他の種目に選ぶことができたのに…」と木下先生は残念そうです。しかし、この選別によって「頑張ると、チャンスがくること」を知ったから、努力できるようになったのかもしれません。

思えば11月から3ヶ月。子どもたちは、同じ曲を繰り返し、繰り返し、ずっと練習してきました。一般の人の中には、同じ曲を繰り返し練習することを「飽きる」という人もいますが、音楽は一つの曲を何度も練習して、身体が覚えるまで深く追求することが、とても大事なのです。

私たちの中には、小器用に物事を処理できるタイプもいれば、不器用なタイプもいます。しかし、不器用なタイプであって継続する中で、メロディーや歌詞を覚え、自分から歌えるようになれば、「歌う楽しさ」が分かり、練習の成果があったといえます。

反対に、「声がよく新しいものにパッと反応できる子」が途中で飽きて、集中力を持続できないと、歌えていたはずのメロディーも歌えなくなったりします。それでは、練習の成果がありません。幼い子どもは「1度できたから安心」ということはないのでしょう。

音楽祭に幼稚園として参加すると、一人ひとりが互いを研磨しあうことになります。ちょうど、ダイヤモンドという宝石が磨かなければ光らないように、子どもたちも、ありのまま放置していては、それぞれが持つ資質は引き出されないのかもしれません。

合唱の練習の中で、「他の人より高い声を上げる」ということは、「自分はここにいる」と意思表示をしているともいえます。木下式が「話声位の高さ」にこだわるのは、意欲や自己主張のある子どもほど、声が高まることを経験から感じているからなのです。
by k-onkan | 2017-01-26 23:00 | 音楽 | Comments(0)

感性にも脳にも音楽はいい!

今日は、東北大学の加齢医学研究所の瀧靖之教授が、楽院の幼児部のレッスンを見学に来てくださりました。きっかけは、私が『16万人の画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』を読ませていただいたことでした。

e0143522_1561834.jpg瀧先生は五歳から八十歳まで十六万人の脳画像から「どんな生活の人がどんな病気になりやすいか?」「どんな人が認知症になりやすいか」を研究されています。その過程で、「どういうふうに育った子どもが賢くなるのか」という新しい事実と、脳の成長に合せて、いつどのような能力を伸ばすべきかを、その書に記されています。

中でも、生まれてから急激な速度で発達するのは目と耳であり、絵本や図鑑、音楽を見せたり読み聞かせたりすることが「感覚」と「感性」を育てることになること、そして、三歳から五歳には楽器や運動が大事であるということが記されているのですが、これは、幼児期の音感教育に携わる私たちには、画期的なことでした。感激した私は、図々しくも出版社にお願いして、拙著「折れない子どもを育てる」を瀧先生に転送していただくことになったのです。

通常、著名な方に献本をしても読んでいただけないのが普通です。しかし、私の本が「音楽に関係する本」であったころから、すぐにお目通しいただくことができたようです。また、音楽の能力を伸ばし自立した人間に育てるために、年齢別にしたいと記した事柄は「脳科学的の観点から理にかなっている」という夢のような感想も頂きました。

ですが、木下式の成果は本でご理解いただくより、実際に教育を受ける幼児の歌声や音感能力を見ていただくことが一番です。中でも、「視覚」と「聴覚」を刺激して音感を身につけさせる「音感かるたの連合学習」に取り組む幼児たちの姿は、いつか、機会があったら見ていただきたいと願っていたのです。そして、それが今日、実現したのでした。

「幼児が立派で驚いた」と言われる先生に、私たちは少し恥ずかしく感じました。それは、20年前、30年前の子どもに比べると、便利な社会に暮らす子どもたちは幼なく、行儀も100点満点とは言えません。それでも、「幼児期にこれだけの音楽能力をつけられる子どもたちは幸せ」という言葉をいただくことができました。瀧先生は、「幼児期に知らず知らずのうちに身に付けた能力が、人より秀でていることによって、それがいつかその子の自信となり、他の能力まで伸びることがある」と説明してくださいました。

また、1年生の甥Kの聴音書き取りをご覧になって、「4つの和音を一度で聴き取れるのはすごい。この訓練は外国語で子音を聴き取る際に絶対に役に立つ」というお墨付きもいただいたのです。

健康な脳を維持するためには、いつまでも好奇心を失わないこと、趣味を持つこと、人とコミュニケーションを持つ機会があることなどが大事だそうです。中でも、「音楽」という趣味は最良だと言われます。子どもたちが音楽の道に進まなくとも、「幼児期に音感を勉強すること」によって自己実現をして幸せに生きられることは、何より嬉しいことだと思うのです。
by k-onkan | 2016-11-09 23:54 | 音楽 | Comments(0)

音楽は子供時代から

今日は、山田和樹先生がプロデュースし、発起人代表・実行委員長を務めた「柴田南雄生誕100年・没後20年記念演奏会「ゆく河の流れは絶えずして」を聴きにサントリーホールまで小学1年の甥Kと妹と三人で出かけてきました。

e0143522_024384.jpg甥Kを音楽会に連れていくというと「もう静かにできるの?」と聞かれました。その言葉で、一般のお子さんにとって音楽会で静かにするのは辛いことなのだと思い出しました。しかし、甥たちをはじめ、楽院に通う生徒は、「音楽は騒がずに聞く」という習慣を身についています。子どもであっても、「人が演奏している間は騒がないこと」は当たり前のことです。最近は、大人でもマナーが悪い観客が増えたと感じますが、集中しないと「いい演奏」ができないという奏者の側の気持ちが分かるからこそ、子供時代に、音楽を聴くマナーを身につけさせたいと願っています。

1年生の甥もサントリーホールで演奏中に階段を上ったり、下ったりして暇をつぶしたり、ロビーを走り回ることはしないはずです。とはいえ、まだ1年生なので「カタン、コトコト、ケホッ」くらいの音は出すかもしれません。音楽会の会場は通常より乾燥しているのか、大人でも咳が止まりにくくなることがあります。いざという時のために、のど飴などを持参するのは、一緒にいる大人の責任のように思います。

人の脳が好き嫌いを感じるのは3歳を過ぎてからだといいます。言い換えると、それまでは、親が子供に好きになって欲しいことは早期に与えておくことが大事なようです。もし、将来、わが子と一緒に音楽会を楽しみたいという夢を持っているなら、子供の頃から音楽に親しむ機会を与えることも大事かもしれません。

最近は、幼児同伴のコンサートもあるようです。ハードルの低いものから、親子で聴きに行くというのも、いい経験になるはずです。何も分からないように見える乳幼児でも、知っている曲が鳴るとそれを覚えていて喜ぶものです。音楽会に行く時には、事前に演奏される曲を聴いておくのも大事な予習になるはずです。
by k-onkan | 2016-11-07 23:15 | 音楽 | Comments(0)

音楽が必要な運動もある!

最近、いろいろな場で「遊びから学ぶ」という言葉を耳にします。生まれも育ちも東京のど真ん中の私は、子供の頃の遊び場と言ったら、近所の公園や原っぱくらいで、外遊びより、家遊びが好きな子どもでした。

e0143522_19292354.jpg大自然の中で遊んだ経験は、夏休みに家族でいった海や山、そして、小学1年の夏休みに、一人で新幹線に乗って祖父母の家に遊びにいった折に、長野県の別荘に連れていかれて、同じ年頃の遊び相手もなく、一人で「つくだ煮ができる」ほどトンボとりをしたことくらいが自然の中で遊んだ記憶です。

そして、思うのは、子供が外遊びを好きになるためには、乳幼児期から自分の身体を自在に使いこなせるようにすることが、絶対条件ではないでしょうか。反して、体より先に頭を使うことを覚えた子どもは、残念ながら、運動は得意ではありません。

運動神経は鈍かった私を心配した両親は、私に運動する機会を与えていたようです。拙著に書いた「手作りの平均台」や「縄跳びの特訓」以前に、わが家には、幼児用の鉄棒やすべり台がありました。当時は珍しい共働きの家庭であったため、子供が身体を動かして遊べるようにとの願いがあったのでしょう。私は運動は得意ではありませんが、今、それなりに身体を動かすことができ、体力があるのは、子供時代に体を使う遊びをしてもらっているからだと感じます。そして、それは、音楽を学ぶ上でも、どうしても必要な運動能力です。

先日、1年生の甥Kのダンスクラスの見学に行ったときのことです。レッスンが終わって、インストラクターの男性の先生が、子供たちにこんなことを言われました。「ダンスは、体を動かす遊びではないんだ。遊びから生まれたものではあるけれど、ダンスは「この音楽にはこんな動きをしようよ」、と、生まれたものです。だから、音楽に合っていなければダンスではない。それは、ただ体を動かすだけの体操です。ダンスを踊る時は、絶対に音楽を聴かなければ……」という話でした。

音楽を勉強している子供にとって、面白い運動は、リズムやメロディーと合わせて身体を動かすことです。先日もトランポリンに乗っていた小学生にメトロノームで速度を決めて、それに合わせて飛ぶことを教えると、目を輝かせて、リズムに乗ろうとする姿がありました。音楽を学んだ経験を持つ人が、ダンスやフィギュアスケートで、プラスになるというのは、こういうことなのと思います。
by k-onkan | 2016-07-08 19:29 | 音楽 | Comments(0)

ピアノには脳を鍛える効果がある!

楽院では、2週間後の学内の成果報告音楽会を控え、ピアノの試聴会を行いました。子どもたちの練習過程を保護者の方に聴かせるのは、ご家庭でも、本番までの子どもたちを側面支援していただくことが目的です。

子どもたちの演奏を聴くと、「普段のレッスンで言われていることを消化できている子と、そうでない子がいることが分かります。しかし、幼児期に木下式を受けて音感が定着している子の強みは、子供が本気になって頑張ると、見違えるほど変化する底力があることです。ここは、一般のピアノ教室に通うお子さんと、楽院の生徒の違いです。だからと言って、平素、努力しない言い訳にはならないため、日々の積み重ねを説いているのですが……。

e0143522_13205160.jpg演奏が終わって、ピアノの先生方から、演奏の評価、アドバイス、これからの練習の仕方などのお話がありました。私は、東北大学の認知症の研究をされる脳医学で著名な瀧靖之先生が「たとえば、運動神経がいい運動選手や、高い偏差値の大学に通う人は、さかのぼると、子供時代にピアノをやっていたことがわかっている」と書かれていたことを思い出しました。ピアノを勉強することで、「脳梁」が大きくなったり、音楽が運動神経と強い関わりを持っているなど、理由はいろいろあるのでしょう。

ピアノは学校の成績とは直接、関係がないので、「別にそんなに一生懸命、やらなくても」とおろそかにしがちです。けれど、ピアノの練習をすることで、脳の未発達な部分も一緒に鍛えられていくように感じます。そう考えると、ピアノは自分の脳を鍛える修行になる、と思って頑張ってほしいと思っています。

それを自ら、証明しているのが、5年生の凸凹っこYくんです。小さい頃は、手の力が弱く、音感かるたや鉛筆を握らせても、すぐに落とすほど弱い手指をしていました。ピアノを始めた時も、5本の指を同時に動かして何かを弾くことは難しいと思うほど、不器用な手指でした。それが、7年経った今、ピアノでソナチネの曲を弾き、弟の独唱にハーモニーをつけて歌えるほど、音楽面では器用になってきました。

何より、人とコミュニケーションを取ることや協調することが、苦手な特性がありながら、他のどの子どもよりも、木下先生の指先から、その意図を汲み取って、忠実に音楽を表現する器用さを持っています。7年前、もし「この子は、そういう特性だから、何かをさせることがかわいそう」と何もさせなかったら、現在の姿はなかったはずです。そう考えると、音楽の力、ピアノの力は口では言い表せないほどのパワーがあると思うのです。
by k-onkan | 2016-06-25 23:18 | 音楽 | Comments(0)

音楽で求められる「賢さ」とは?

ベビークラスを始めてちょうど、1ヶ月が経過しました。最初は、できなかった「手はおひざ」ができるようになったり、「○○ちゃーん」と呼ぶと「ハイ」と返事をしたり、私が歌って聴かせる音感かるたと同じかるたを探して取って来たりと、毎週、できることが増えています。

e0143522_18274220.jpg首都圏では、1歳から始められる「幼児教育」がブームのようですが、1~2歳の内から男児を集団クラスに入れるのは、注意が必要かもしれません。男児は、自分独自の世界観を持ち、甘えん坊な面があります。女児に比べると幼く、理解力がなく見えますが、それは幼児期の男児の特質なのです。

それなのに、女児と比べて「ダメね」「理解力がないわね」と、早くから集団行動を無理強いすると子どもはもっと抵抗を示すでしょう。男児は、急いで集団行動に取り組ませるより、その子が好きなことを、じっくりと集中して取り組む時間や、体を使うことを大事にしたいものです。10人の子どもがいたら、それぞれの性質や性別や月齢によって、成長と発達が異なることを忘れないようにしたいものです。

一般では、「いい子」とか「優秀な子」というと、なにか特別な能力があったり、大人の指示に従順で、行儀のいい子供のことを指すのかもしれませんが楽院で私たちが求める「いい子」は少し違います。それは、私たちが教えるのが、他の何の科目でもなく、音楽だからです。

音楽という科目は、頭の良さも求められますが、それは、「1+1が必ず2になる」という類の賢さではありません。もちろん、記憶力も必要ですが、感受性も求められ、他人の気持ちを読み取る力も大事です。国語的な頭の使い方もしますし、算数的な頭も求められます。また、一定のリズムで演奏するためには、運動能力や反射性も必要で、自分の身体を自由自在に使いこなせることも必要なのです。

そのため、音楽を教える際の「いい子」は、「学ぶことに素直であり、教えられたことを吸収して、自分なりに考えられる子。好奇心があり、自分から頑張る自己主張のあるお子さん」なのです。私たちが幼児期のお子さんが「目が輝いているかどうか」にこだわるのは、目を見れば、素直か荒んでいるか、好奇心があるか諦めているか、気力があるか、無気力であるか、すぐに分かるからです。

乳幼児期に、他のお子さんと一緒に活動できなくても、児童期に他の子と同じ能力がなくても、大人になるまでに、きちんと自信が持てるだけの能力が身に付けられれば、それでいいと思います。ただし、幼児期から「できないのが当たり前」と何の努力もせずに、あるがままを受け入れれば、何歳になっても「できないまま」成長する可能性はあるのです。ですから、1歳には1歳、2歳には2歳、3歳には3歳、6歳には6歳、10歳には10歳でに習得すべき、体の使い方、頭の使い方、心の成長を、段階をおって、経験させていくことが大事なのではないでしょうか。
by k-onkan | 2016-06-24 18:27 | 音楽 | Comments(0)

GWはクラシックに親しむチャンス!!

ゴールデンウィークの丸ノ内は、クラシックのイベントが至るところで開催されていました。ちょうど、合唱団のピアノ伴奏を担当する山崎先生が出演されるイベントがあると知り出かけてみました。

e0143522_13312926.jpg会場は、ビルの3階から5階までが吹き抜けになっているロビーで、その音響効果によって、美しい音色が高い天井まで響きわたります。その日は、自然をテーマにした選曲で、ビバルディ―の「四季」をはじめ、だれもがよく知る名曲がバイオリンとピアノで演奏されていました。

ゴールデンウィークということで、大勢の人が会場に詰めかけ、通勤列車のようなすし詰め状態だったため、演奏に集中しようと、耳を凝らして一生懸命、聴いたため、かなり疲れてしまいましたが、同時に、ふだん、山崎先生のピアノの音色を聴き放題の私たちがいかに贅沢かも実感できました。

ゴールデンウィーク期間は、丸ノ内の至るところで、クラシックの演奏が行われて、大勢の人が、音楽に心を癒されていました。こうしたイベントによって、より多くの方が、音楽に興味を持ってくださるのは、とても嬉しいことです。
by k-onkan | 2016-05-03 23:29 | 音楽 | Comments(0)