麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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カテゴリ:楽院だより( 168 )

楽院の子供たちが仲良くできるのは

恒例の夏の「海の家」が終わって、大人たちはみんなホッと一息ついているところです。特に、パートナーの家業だからといって、目立たないように、でも、子供たちの送迎をして、一心不乱に砂に穴を掘り、海の中で子供たちの監督をしてくれる義弟には、感謝以外の言葉が見つかりません。

e0143522_1057691.jpg今回、途中から、電車で参加されたお母様は、「子どもが11人もいたのに、喧嘩もせず、始終おだやかだったこと」に驚かれていました。楽院の子どもたちは、小さい頃から一緒に育っていて、長所も短所も見せ合いながら、同じルールのもとに時間を過ごす経験をしています。そのため、少しくらいの諍いがあっても、長引いたり、誰か一人がつらい思いをすることはありません。何より、子どもたちよりもっと、怖いガキ大将のような大人が大勢います。それゆえに、子ども同士は、基本的には仲間意識が強いと感じます。

私や木下先生は、子どもたちの前で決して公平ではありません。男の子の目の前で女の子の味方をしたり、その横で、女の子を同時に応援したりします。子どもたちは自然に「先生たちは、自分だけの味方」ではないことを受け入れつつ、だからといって、「大事な時は助けてくれる相手」だと、分かっていくようです。このことが、分かれば、楽院の先生は、さほど怖くなくなり、対等に物を言えるようになります。但し、親御さんのように「自分だけ」を可愛がってくださったり、自分だけの都合で動くことはないので、自立していないと、居心地が悪いかもしれません。

ネットなどでよく、「一つの意見」を賛同されると、すべての考えを認められないと、納得がいかない大人を見かけます。ですが、Aについては賛同できても、Bについては違う考えを持っていたり、Cについては半分しか賛同できない、などということは、ざらにあるでしょう。また、考え方が平行線の場合は、どこまで話し合いをしても、解決せず、時間を無駄にすることさえあります。

楽院の子どもたちが仲がよくいられるのは、基本的な考え方が共通する親御さんの子供たちが、楽院に預けて下さっているから、だろうと思っています。たとえば、音楽の能力が高めたくても、わが子に厳しいことは体験してほしくない、という方は楽院には通ってこられませんし、音楽面の能力を求めても、多種の友達との関わりを否定される方は、楽院は向いていないと思います。

楽院にわが子を通わせてくださる親御さんは、いろいろな考えや価値観を持ちながらも、「わが子に音楽能力をみにつけさせたい」と考えると同時に「いろいろな人と関わり、自分で人生を切り拓ける大人になってほしい」と願っている方だから、子供たちも一緒にいて、居心地がいいのだろうと思います。

私たちと付き合いが長い高学年の生徒には、合宿や「海の家」で、「この子にはこんな特性があるから、気を付けてあげてほしい」とか「音楽面は素晴らしくてもこうした弱点があるから、カバーしてね」と、一般なら個人情報であり、短所に見えることも、子どもに隠し立てせずにきちんと説明して、理解を求めることがあります。

子ども同士の世界はシビアです。子どもは、誰かが特別扱いをされていると感じるとすぐに「ひいきだ」「納得がいかない」と文句を言いだします。でも、大人と違って、子どもたちのいいところは、それぞれの事情を理解できれば、お互いを助けたり、気を使いあったりもできることです。幼い頃、自分が配慮された子どもが高学年になって、後輩を配慮する立場になることもあります。そんな「順番とめぐりあわせ」が子どもたちの絆を強くしているのかもしれません。

楽院に入って途中でお辞めになるお子さんも存在しますが、それは、親御さんと楽院との考え方の基本に相いれないものがあったのだと思います。親御さんと楽院の考え方に相違がある中で、音楽の能力だけ求めて、通わせ続けると、最終的に、気の毒な思いをするのは、お子さんです。どんなに私たちが親身になったとしても、やはり子どもは、「親御さんの子ども」であり、その子どもの教育に責任を持てるのは「親御さん」しかいない、このことを忘れないようにしたいと思っています。
by k-onkan | 2017-08-07 23:42 | 楽院だより | Comments(0)

なんで、こんなに海は辛いの?

東京駅で、保護者のTさんと待ち合わせをして、特急に乗って、千葉の海の家へ出かけました。駅に着くとお迎えは、木下先生で、子どもたちはすでに、海に遊びに行った後でした。私たちも急いで着替え、海へいきました。

e0143522_14101587.jpgちょうど、純子先生が、お昼ごはんのカレーライスのなべを取りにいくということで、交替して子どもたちのいる海へ入りました。1年生のMくんは、海が初めてだったのか、誰彼かまわず、足をからめてつかまってきて可愛いのですが、波に乗る瞬間、自分の顔に塩水がかかるのが、怖いからのようでした。

「どうして、こんなに塩からいの?」と文句をいうので「海だからよ。海は塩水なのを知らなかったの?」と聞くと「塩水だって知っていたけれど、こんなに塩辛いと思わなかったよ」と怒っています。頭で知識として知るのと、体感して知るのでは、これほどまでに、違うのです。その子は何度も「どうして?どうして?」と不満を口にしていました。

普段、おとなしい2年生のIちゃんが、海女のように海に潜り、貝を拾ってくるのですが、どんどん、沖に向かっていくため、瑠音先生と義弟は、監督しながら、気が気ではなかったようです。普段、水泳教室に通っているため、泳ぎに自信があるのだと思いますが、人間に管理された「プール」と「海」は違います。どんどん沖にいってしまうことに、普段、自然と関わっていない怖さを感じたようです。

楽院でも、千葉でも、子どもを預かって海や川に入る時は、大勢の大人で常に人数を数えて、細心の注意を払って管理しますが、それでも、気が付くと潮の流れで全員で沖の方へと進んでいたりするものです。やはり、人間は生きる上で、自然を知ることは、関わることは、大事なことのように思います。

普段、合宿の川遊びでは、私がカメラを持っていることが多いので、「先生には絶対に水をかけないで」とうるさく言っています。そのためでしょうか。4年生のKくんは、既に海水の中にいる私に「麻奈先生にも水をかけてもいいの?」と聞いてきました。そんな心配ができるようになった反面、「麻奈先生は高齢だから、ぼくたちと一緒に公園へ行かないの?」と言って、私に「デリカシーがない」と怒らせようとしたりもするのです。男児は、4~5年の頃が一番、生意気で、私に抵抗する時期のようです。

さて、恒例の海で、毎年、必ず行うことが、砂浜にスコップで穴を掘って、子どもたちを埋めることです。海水を吸った砂はとても重いのですが、それを自分で砂を動かして脱出させます。大切に育った子ども達は、いつも誰かに守られて安全を見守られています。ですが、非常事態には自分一人で、なんと頑張って解決しなければならないこともあるものです。遊びの中で、「困難」から抜け出すことも経験させておきたい、そんな理由から、昔からある遊びかもしれません。思えば、私が幼い頃にも、親戚と一緒に海に行って、こんな遊びをしたものでした。

今年、最初に埋められたのは1年生のMくんです。前日、おにぎりを持たせた途端、あっと言う間に砂浜に落とし、お菓子を渡せばお菓子も落とし、スイカを与えると、「タネがある果物は食べられない」と言う受け身な姿に「もっと、自分のことを自分でさせなければ」と切実に木下先生は思ったようです。

砂に埋められたMくんは、これまでの子どもたちのように、泣いて必死になって砂を動かすのではなく、すぐにフーッと言って諦めてしまいます。この姿は、私たちにも初めての体験でした。これまでの子どもは自分の無力さに悔し涙を流したり、必死になって砂の中でもがいたからです。 

でも、Mくんは、あまりの重さには「一人では無理」と思ったのでしょう。すぐに諦めて動かなくなってしまいました。木下先生は、「これを使え」と言って、特別に小さなスコップを渡したのですが、意味のない場所にやみくもに触れて砂を周囲に飛び散らせるばかり。スコップを使いこなすのも慣れないと難しいのでしょう。

これまで、何度となく砂に埋められた経験がある先輩たちは、「お腹のところを掘れ」「腰を動かして」と声をかけていますが、すぐに「フー」と休んでしまいます。みんなで「頑張れ」「腕をつかって、突っ張って腰を動かして」と最後まで全員で見守り、どうにか、脱出できました。

次は初参加の4年生のKちゃん。しっかり者ですが、体力より知力で勝負するタイプなので、最初は「私は結構です」と言っていましたが、「オンカンで、やらないという選択肢はない」と気づくと、度胸を決めて埋まりました。砂の重さで途中、少し涙目になっていましたが、頭を使って、どこの砂を動かせば、自分が自由になるかを考えながら、掘っていました。

これまで、なんどとなく木下家の「海の家」を経験している子は、砂の重さを経験しています。でも、新参者ばかりが埋められる姿を見ると、「オレも埋めてほしい」「もっと深くしても大丈夫」と軽口をきいてしまいます。でも、いざ、深い穴に埋められると、涙目になりながら、必死の形相で砂から脱出を試みます。普段、生意気な子が無駄口もきかずに、一心不乱で取り組み、健気でかわいい姿を見せる時間でもあります。

それぞれの性質や気質に合せて、穴の深さを調節しつつ、「オンカンでやると言ったら、やらない選択肢はない」という言葉通り、全員が砂から脱出を経験しました。そして、最後は、卒業生のY先輩と中二の甥Yで、「ゆうちゃん対決」をしました。「若さと筋肉がある若者にはかなわない」と言いながらも2歳の娘に勇姿を見せるために頑張り、先輩とYはほぼ同時に脱出しました。可愛かったのは、その姿を見ていた2歳のAちゃんが、自分も穴に埋まって自主的に砂から脱出する練習をしていた様子でした。

海の後は、子どもたちが公園で遊ぶ間に、木下先生ご自慢の千葉のお刺身を用意し、「新鮮なお刺身は、美味しいぞ。残すヤツは、もう二度と来るな」と言われ、普段、偏食の子どもも、全員、残さず食べる様子に「来てよかった」「楽しかった」という子どもたちの気持ちが表れていました。食事を終えて、瑠音先生の車と私たち電車組、そして、直接、お迎えに来られたご家庭の3つに分かれて帰京しました。子どもたちは、どの子も海で真赤に日焼けした顔に、たくさんの思い出を胸に親御さんのもとへと戻っていきました。
by k-onkan | 2017-08-06 23:08 | 楽院だより | Comments(0)

今年も海で子供と一緒!!

今日から楽院の選抜児童は千葉の木下先生のところで「海の家」のお泊りです。まだ、合宿から1週間も経たないのに、もう子供たちと付き合おうというのですから、よほど子供が好きだと思われても仕方ありません。でも、木下先生にとっては、合宿で特に厳しく鍛えてきた男の子たちを可愛がって遊ばせるのが目的なのかもしれません。海の家では、「合唱の練習」などの修行的なことはありません。せいぜい、砂浜に埋めて自力脱出くらいでしょう。

e0143522_12551411.jpg今年は男子6名女子3名と大所帯の「海の家」です。現地で卒業生ファミリーも合流予定です。参加者は合宿よりも早い時間に、楽院に集合して、瑠音先生の車と有志の保護者所有の車、2台に分乗して出かけていきました。私が楽院までお見送りに行くと、子どもたちから、「麻奈先生はいかないの?」との声があがりました。私は、出張や諸々があるので、一日だけ電車で日帰りの予定です。

女の子たちには、「一番、怖いのはまゆみ先生だから、叱られないように気を付けて」と送り出しました。女の子たちも、小さい頃からピアノを習っているので、「知ってる」と言って出かけていきました。楽院では、木下先生や私など、分かりやすく激しくわかり怒るタイプが怖がられますが、本当に一番こわいのは、静かで穏やかで我慢強い人を怒らせた時です。

子どもたちが出かけた後は、お母様たちと、近所でお茶をさせていただき、合宿であったブログには書けない「いろいろなこと」や個人的な出来事などをお話しました。生徒たちは、合宿で起きたいい出来事も、わるい出来事も、それなりに親御さんに報告していると知って、とても安心しました。もちろんその中には子どもなりに「これは、お母さんにしていい話」「これはしない」と決めているはずです。

そして、これは、本人がお母さんには報告しなかった話のようです。女子班の班長はマラソン大会のゴール直前にハーハーぜーぜーとお腹を押さえて、具合悪そうに涙を流して帰ってきました。楽院では、いつもしっかりしていて、弱みを見せる機会が少ない女の子なので木下先生はとても心配しましたが、私は、具合が悪くなった理由がなんとなく想像できました。

それは、予想に反して下級生に負けて、精神的に参ったのだろうということでした。そんな時は、みんなで大騒ぎするより個別に看護師の先生に見ていただいた方が、女の子たちは落ち着きやすいように思います。

マラソン大会が終わって、朝食を取って帰り支度をしてさよならコンサートも終わって、バスに乗り込んでしばらくして、私にポツリと「負けたのが、○ちゃんだったから、いいことにする。○ちゃんは頑張っていたと思うから」と自分に言い聞かせ、心を納得させている姿がありました。

お母様には、そのエピソードの更なる裏話をお聞きしました。なんでも、今年は合宿に向けて、母娘で走っていたのだそうです。お母さんより速く走れる自分に、「今年は、結構、いい線にいけるかも」と思っていたようなのですが、お母様が、膝を痛めて一緒に走れなくなって、お母様はとても申し訳なく思っていらっしゃいましたが、ここで子ども本人に「申し訳ない」と謝る必要はないと思います。ですが、次回の機会には、最初から自転車等を使って、最後まで練習に付き合ってあげていただけるようお願いしました。

子どもを応援するために、親子で一緒に走るのはとても貴いことです。でも、もっと大事なことは、親御さんが怪我をしたりしないこと。そのためには、大人が文明の利器を使ってでも、最後まで付き合ってあげた方がいいと、個人的には感じます。

もちろん、親御さんがスポーツマンタイプの元陸上選手などで走るのが特技であれば、子どもと対等に走るのも、いいでしょう。でも、運動が得意でない大人は、本気になった子どもには絶対に敵いません。子どもは「お母さんだけ、自転車でずるい」というかもしれませんが、それでも、途中で、親子で練習を止めるよりは、最後まで付き合ってくださったことの方が、親子で何かを協力したといういい思い出になるように思うのです。
by k-onkan | 2017-08-05 23:53 | 楽院だより | Comments(0)

事故なく帰ってきました!

合宿では5日間を通して、班の友達と協力できるように班ごとに「チェーンリング」を集め、その数を競います。「いいこと」をするとリングは増えて、悪いことをするとリングは減ってしまいます。リング班長が首からぶら下げているペンにチェーンをつけて貯めていきます。そして、最後の朝に、お互いのリングの数を発表して、リングの数が多いグループが賞品を手にします。
e0143522_1321167.jpg
リングがもらえるのは目立って力を発揮したり、合唱で木下先生に褒められたり、小さい子に優しくしたり、誰かのために頑張っている姿を見かけるなど、特別な時です。反対に、「話を聞いていない、勝手な行動をする、騒ぐ、いじわるをする」など等が減点の対象です。

その中で、先生の手伝いをした後に、「手伝ったから、リングを頂戴」とねだる男の子がいました。「リングが目的」でいいことをするのは、あまりに打算的です。「リングねらい」にいいことをするのは、ダメとお断りしました。

最終的にマラソンで第1位から第3位まで独占した男子班は、減点ポイントが多かったにも関わらず、ポイントを稼ぎ、総合的には、「男子班」の勝ちとなったのですが、問題は、その後です。ご褒美を渡した途端、食事中にも関わらず、大騒ぎをする1年生。それを注意しない班長に「やっぱり、男子班にご褒美は出したくない」ということになりました。せっかく、チームで競いあってご褒美を与えたのに残念ですが、急遽、個人で頑張った子のご褒美とすることにしました。

まず、5日間、まったく泣かなかった幼児部の3人に与えました。その後に、男子班で「誰が一番、頑張っていた?」と聞くと、「音楽班長!」という声があがりました。確かに5日間、とても頑張ったのですが、最後の日にネットで見たという「下ネタの歌」を歌っているのを私に見つかったので、「どんなに音楽を頑張っても、下ネタは全てを台無しにする!」ということで、珍しく、音楽班長にご褒美はありませんでした。「俺は?」「デリカシーのない発言が多いからダメ」「Mくんは?」「うるさいからダメ」等々、それぞれ何かしら欠点がありました。

その後、「Kちゃん!」という声があがりました。私は「麻奈先生の甥だから、贔屓したって思わない?」と確認しました。すると「2年生なのに頑張っていたから、贔屓じゃない」というのでKに与えました。そして、今年は去年より頑張っていた2年生の男子に与えました。

女子班では、初めて参加したのに大人の手を煩わせなかった女の子や、影で頑張った班長、副班長、そして、最後に残った一つは、マラソン大会で入賞するのは想定外だった総班長に与えました。

さて、今年の子どもたちとの5日間の生活では、ネットの恐ろしさを強く感じました。今回、6年生の男児がYOU TUBEで「下ネタ」の歌を覚えたという話にも驚きましたが、昨年は6年生の女児がネットで知らない男性から話しかけられて困っていると聞いて、「軽はずみなことはダメ」と注意したことを思い出しました。高学年になると、大人が知らない間に、いろいろなことができるようになり、情報網も広がっていくものです。「うちの子に限って」は禁物かもしれません。

さて、子供たちは、無事に帰京し、楽院にて「ただいまコンサート」を行い、親元に帰ることができました。ここに、合宿に際して、ご協力くださった皆様に御礼申し上げます。
by k-onkan | 2017-07-31 23:17 | 楽院だより | Comments(0)

先生も早くおうちに帰りたい・・・かも

4日目の午前中は、曇り空の中、ジョギングをして、その後は合唱練習をしました。尾瀬に着いてから断続的に雨が降っていますが、昼過ぎに一瞬、太陽が出たのを利用して、川遊びに出かけました。前日までの雨で増水した川で遊ぶのは危険ですが、宿舎の中ばかりで体力を持て余しているため、浅瀬がある場所を探していただき、19人の子どもたちに、8人の大人が立ち入れる場所を制限し、一緒に川の中に入りました。子どもたちが川に流されたり、事故に合わないように細心の注意を払って、浅瀬で水遊びを楽しみました。

e0143522_2337624.jpg合宿も4日目にもなると、男女共に互いに協力したり、面倒を見る余裕が出てくるのですが、最初の数日は自分のことに精いっぱいで他人のことまで目を配る余裕はありませんでした。特に、高学年の男子は「自分が面倒を見ると決まった子」以外は、同じ班なのに、まったく関わろうとせず、現代社会で人に思いやりを育んだり、協調することを知るのは、本当に難しいと感じています。

楽院に通う男子は、音楽に関しては、真剣に取り組んでいます。普段、どんなにふざけていても大事な時には格好いい自分でいたい、という思いがあるのでしょう。しかし、「自分のことをしっかりできる」から、小さい子の世話をしたり、優しくすることが、難しいようです。できる子は、できない子の気持ちは、よく分からないということもあるかもしれません。

午前中の合唱が終わると、6年生の副班長が「言ったのに忘れるのは、自己責任」と班長に言っている声が聞こえてきました。1~2年生に「持って帰れ」と言ったレインコートが置きっぱなしにされていたようです。そこで、「学校の合宿は自己責任かもしれないけれど、楽院の合宿で低学年の忘れものは自己責任ではなく、班長と副班長の責任」という話をしました。

6年生ばかりのクラスなら、先生に言われて、それをしなかったら自分の責任かもしれません。しかし、楽院は縦割り班で、今年、初めて児童部として参加した子には、知らないことがたくさんあります。その子たちに「忘れものは自己責任」というのはかわいそうです。

「班長がお父さんだとすると、副班長はその班のお母さんです。自分たちの子どもが忘れものをしたときに、『自己責任だ』という親はりにひどい。忘れものをするなら、しない方法を考えるのが、班長と副班長の責任」と伝えました。

6年生も「なるほど」とその場は、納得したと思ったのですが、問題はその後です。合宿所でも、川でも、「お母さん、Mくんをお願いね」「そっちは、お父さんがやって」と言い合っていることに気付きました。「単なるたとえ話だったのに、そのまま、呼び合って」と小ばかにされたような気がしましたが、それでも、笑ってしまいました。

夜は小雨がぱらつく中、前日に中止になった花火大会の花火をあげて、キャンプファイアーも無事に行うことができました。雨が本格的に降り出す前にキャンプファイアーを終えるため、合唱もスタンツも駆け足で行いましたが、先生たちが、毎晩、夜遅くまで練習した「先生のスタンツ」も、今年は中止としました。

部屋に入って、寝る支度と帰京の準備をしていた時に、女子班の班長が、「班長がこんなに大変だと思わなかった。何度、言っても、誰も聞いてくれなくて……」。4日目になって疲れて限界が近づき、少しずつ不満もたまってきたのでしょう。「でも、これで、お母さんの苦労が分かったでしょう? お母さんは、こうやって子どもの世話をしながら、ご飯も作って、洗濯もして、お仕事もしているのだから……」。

合宿最後の晩になり、「早く家に帰りたい」という子もいれば、「全然、寂しくない」という子も多くいるようですが、私たち大人に限界が近づいています。明日の朝のマラソン大会を無事に終えて、早くおうちに帰りたいのは、子どもたちだけではないようです。
by k-onkan | 2017-07-30 23:37 | 楽院だより | Comments(0)

簡単なことは知っておこう!

朝からボタボタという雨の音で、残念ながら、尾瀬の山登りには出かけることができませんでした。代わりに午前中は合唱練習、午後からは屋内版インディアンハイク、はがき書き、その後、合唱練習やスタンツの練習をしました。夜になっても雨は一向に止まず、花火大会の代わりに、お楽しみ会をしました。

e0143522_23485365.jpg今回の合宿で気になったのは、小学生の子どもたちの中に、何も考えずに「なんで?」「どうして?」と口にする子どもが増えたことです。しかし、よく考えると、3歳になる前から長時間の集団生活をしてきた子どもは、親御さんに「なんで?」「どうして?」と尋ねて、好奇心を満たすという経験は少ないかもしれません。

3歳頃は、何度も同じことを、「なんで?」「どうして?」と尋ね、理由づけを求める時期です。同じのことを何度もしつこく尋ねるため、大人は「前にも教えたじゃない」とうんざりしますが、これが、子どもの好奇心を育むことになります。しかし、こうした経験がないまま、子どもたちは、いろいろな塾やお稽古事に通っていると感じます。

私たちは、子どもたちの知識や特殊技能と、知らないことやできないことのギャップに驚かされています。たとえば、ピアノは弾けるのに、自分の髪の毛を3つに分けて編むことが、すごく難しかったり、生意気な口をきく年頃なのに、自宅の住所も知らない子どもが何人もいました。

「お手紙書き」のはがきは、表面に住所を書いたものをご用意いただいているのですが、無地のはがきを持ってきた子がいたので、「住所は自分で書きなさい」と促すと、「電話番号は分かるけれど、家の住所は知らない」「○○駅まで、連れていってもらえば帰れる」という答えが返ってきました。

震災から6年、喉元を過ぎると熱さを忘れるといいますが、親子が離れている時に災害にあわないとは、言いきれません。「万一のとき」を想定して、どうするかを相談したりしておくことも大事な気がします。その基本は、小学生なら自分の家の住所や電話などの連絡先を諳んじていることかもしれません。

さて、3日目の夜は、益々、激しい雨が降っています。明日は、何ができて、何ができないか、まだわかりませんが、子どもたちが、みんなで楽しく協力できるように、最善を尽くしたいと思っています。
by k-onkan | 2017-07-29 23:47 | 楽院だより | Comments(0)

言霊を大切にしよう

午前中は雨があがったのですが、虫取りを終えた後に降り始め、飯ごう炊飯とカレー作りは屋根のあるキャンプ場で行いました。雨の降る中男子は飯ごうでご飯を炊き、女子はカレー作りのための野菜の皮をむきました。

e0143522_23513925.jpg今回、子どもたちと付き合って強く思ったことは、「自分の言葉に責任がある」ことを教えたいということでした女の子たちは―男の子もですが―、本当は「好き」なのに「好きじゃない」と言ったり、本当は嬉しいのにブスッとした態度で嬉しくない態度をすることがあります。

難しい年頃と言えば、それまでのことですが、日本では古くから「言霊」というものがあって、声に出したことが現実の事象に影響があると言われています。子どもたちが口に出す言葉は、マイナスではなく、プラスなことであって欲しいと願っています。特に、幼児期、児童期の子どもには、素直に好きなことは好き、嬉しいことは嬉しい、悲しいことは悲しいと言える健全な心を育みたいものです。

2歳のAちゃんは、5ヶ月前に弟が生まれて、子ども心に寂しい思いをしているのでしょう。本当はお母さんが誰より好きなのですが、お母さんを好き過ぎて、お母さんと一緒にいられない時に「お母さん、あっち行って」と言ってしまうことがあります。でも、本当は、大事で大好きなお母さんなのです。「本当はママが大好きなのよね。でも、そんなことを言ったら、ママは悲しいから、言ってはダメよ」と伝えています。

この合宿では、ある女の子が第一声部の一員に抜擢されました。その際、本当は嬉しいのかもしれませんが、顔をゆがめて不機嫌な様子を見せてしまいました。照れ隠しなのだと思いますが、せっかく、第一声部の仲間入りをした時には、素直に喜ぶ心も大事な気がするのです。

飯ごう炊飯の後のナイトウォーキングでしたが、雨が強くなり、急遽、屋内で肝試しをしました。子どもたちは、普段、大人に不遜な態度をする子ほど、ただ掃除用具までお化けに見えてしまうようです。

中でも、普段、軽い気持ちで「ママは嫌い」とか「弟や妹なんて、いなければよかった」と口にする子は、激しい怖がり方をしていました。心の中に、何か「後ろ暗いこと」があるのかもしれません。

忙しく働く親御さんやきょうだいの存在は、必ずしも、自分の思い通りになることばかりではないものです。それでも、そうした人の存在があって、自分がいるのです。軽々しく「きらい」といった途端、親しい誰かが突然、いなくなったら、その後悔は、想像できません。

楽院で「肝試し」や「お化け大会」をするのは、「自分一人で大きくなった」と思い、生意気になったり、不遜になる時期の子どもたちに「自分は一人では生きられないこと」に気付かせるためかもしれません。

「泣き過ぎて寝られない」という女の子たちは、いつもは2部屋に分かれて寝るのですが、一つの部屋に6枚の布団を敷いて、みんなで手を握り合って寝ることにしました。この「肝試し」のおかげで、家族以外の誰かと、互いの弱さを受け入れたり、助け合ったりすることができたようです。
by k-onkan | 2017-07-28 22:55 | 楽院だより | Comments(0)

尾瀬は霧雨です

合宿初日の朝は出発式から始まりました。「お父さん、お母さん、元気に帰ってきますので、お迎えをよろしくお願いします。では、いってまいります」という挨拶とともに、バスに乗り込みました。

e0143522_23553696.jpg初参加の子どもたちもニコニコと楽しく、自己紹介をしたり、ゲームをしたりとバスの旅を楽しみました。途中で雨が降った様子が見られましたが、無事にサービスエリアで昼食休憩をとり、その後、宿泊所に向かいました。尾瀬は、霧雨が降っていてとても涼しく過ごしやすいですが、5日間、充実した活動ができるよう、天気になることを願うばかりです。

宿舎に到着して、荷物整理の後は、班ごとにスタンツの練習をしていました。班長に指導力があるとスタンツは上手にまとまりますが、下級生や副班長に主導権を握られるとうまく動きません。今年の女子班の班長は4年生で、班長としては低年齢ですが、これまでの経験でうまくまとめています。

お風呂の後は工作の時間です。今年は「牛乳パックロケット作り」に挑戦しました。コンパスを使って円を書いたり、4㎝四方の型を取ったり、低学年には難しかったようですが、子どもたちには新しい挑戦だったようです。

今回、4~5年生の男児たちが0歳の赤ちゃんを「抱っこさせて」「ボクも……」と集まってくるのがとても不思議でした。しかし、よく考えると、4~5年生は誰かの世話になるには大き過ぎて、下級生の世話をするには幼いのに口だけは生意気になる年頃です。

本当は、「自分も可愛がってほしい」「スキンシップがうらやましい」という欲求を「赤ちゃんを抱っこする」ことで代替しているのかもしれません。赤ちゃんも迷惑がらずに、お兄さんたちに抱っこされてくれていますが、やはり、相手は乳児なので目は放せません。結局、一緒に構うことになるため「構ってほしいのかな」と感じています。

晩御飯の後は、ゲーム大会をしました。各班の班長が考えてきたゲームをみんなで楽しむのですが、問題はその説明の仕方です。上手に順序立てて説明できる子もいれば、何を言いたいか、分からないまま、なんとなく、進めてしまう子もいて、つくづく文章を組み立てる練習は日常の作文力、会話力に左右されると感じています。

最後はお通じをよくする「金魚体操」と、喉にうるおいを与えるための「ライオンのポーズ」を行い、「おやすみなさい」をしました。お布団の用意をしていると、数名の女子が、「麻奈先生、絶対、夜中の2時に起こしてください」と言いにきました。神経質になり過ぎなのかもしれませんが、心の平穏のために、私たちが寝る前に、トイレに行かせなければと思っています。
by k-onkan | 2017-07-27 23:00 | 楽院だより | Comments(0)

明日から尾瀬へ行ってきます

木下式の指導法を学ぶために、幼稚園、保育園の先生が研鑽される三期講習会が終わって、1日明けると、楽院の生徒を連れて、5日間にわたる尾瀬合宿です。


e0143522_831264.jpg今年は、年中から中学生まで20名と、卒業生の一家と看護師の先生がご一緒です。途中、名誉団員のお姉さんが、訪ねてくれることになっています。

怪我や病気がないように、そして、お子さんたちの能力を最大限に引き出してきたいと思っています。5日後に成長した姿をお見せいたします。お迎えをよろしくお願いします。

また、合宿の様子は、その日のうちに、ブログにあげる予定です。そちらの方からも、尾瀬合宿の様子を知っていただければと思います。
by k-onkan | 2017-07-26 23:28 | 楽院だより | Comments(0)

日中友好交流演奏会をしました!-2-

演奏は天使のこえ合唱団から始まりました。最初の挨拶は、高校1年の名誉団員Mちゃんです。「皆さん、こんにちは。ようこそおでかけくださいました。私たちは天使のこえ合唱団です。今日は、武漢飛揚児童合唱団の皆さんと音楽を通して友達になりたいと思います。本日の交流が、皆さんにとってよい思い出になるように、楽しく過ごしましょう」

e0143522_1755619.jpg子どもたちは中国人が好むという日本の歌「北国の春」「ふるさと」を歌った後は、「さとうきび畑」「今ぼくたちは」「世界は二人のために」などのレパートリー、そして、最後に中国の歌「茉莉花」を歌いました。

その後、中国のお子さんたちが、日本語と中国語の曲を一曲ずつ合唱し、その後は、独唱となりました。声のいい子がたくさんいましたが、中国語の発音や馴染みの音楽の異なりからか、音程のとらえ方がとてもおおらかに感じました。木下式はほんの少しでもピアノにはまらない声を出すと「声が違う」「低い」とうるさく言うので、子どもたちは不思議に思ったかもしれません。

最後は、3歳から楽院で勉強し、現在、Berklee音楽大学のProfessional Music学科にてボーカルパフォーマンス、障害児の特殊教育、心理学、そして指揮を勉強する名誉団員のYさんが、「When we were young 」を歌い、この会の最後を引き締めてくれました。

演奏会が終わった後は、「天使のこえ合唱団を育てる会」の会長K様よりご寄贈いただいた両国の国旗と「音感マーク」の入ったケーキをいただきました。中国の方は、ケーキを写真に撮り、とても喜んでくださいました。

ケーキを食べ終わってから、交流です。子どもたちは、これまで練習した中国語を使って、「お名前を教えてください」と言って、ノートに互いの名前を書きあいました。子どもたちの中には、積極的に自分から声をかける子もいれば、「もう無理です」と全然、声がかけられない子もいて、「積極性」や「社会性」を感じる場となりました。

そして、この演奏会には、大勢の卒業生や保護者の方が応援とお手伝いに駆けつけてくださいました。ここに厚く御礼申し上げます。
by k-onkan | 2017-07-21 17:53 | 楽院だより | Comments(0)