麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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カテゴリ:木下式音感教育法( 395 )

目の前の幼児に責任がある

福岡にて、木下式を実践する保育園の指導に出かけてきました。今夏の東京は、雨が多く、とても涼しく感じますが、福岡空港を一歩でると、夏らしい暑さを感じました。1日目は、担任の先生が園児に実践する様子を指導させていただき、2日目は80名の保育士の先生が集まって、木下式の基本である「音感かるた」と「刺激度」を学びました。


e0143522_5492479.jpg木下式の教え方は、「教え方の型」や「手法」「手順」の取り決めがあるため、「自分らしさ」がないように感じる人もいるようですが、実は、本気で相手に、教えたい、伝えたいと思う時には、表面的になぞるだけでなく、内面的な気配りや配慮、強さも求められます。そして、その「さじ加減」を適時にするには、ロボットにはできないかもしれません。

今夏の私の「テーマ」は、「人間とロボットの違い」なので、木下式の指導法を教えながら、表面的に私の声色やイントネーション、間合いだけを模倣せずに、目の前にいる幼児たちの様子を見ながら、指導していただきたいことを何度も繰り返し伝えました。

木下式は、「先生」の発音や音程を真似ることで幼児が自分の聴覚の音高の基準を備えていきます。この時、「先生」の発音が曖昧であったり、音程が不正確であると、幼児もそれを真似ることになります。先生が高い声で話しかければ、幼児も自然に高く呼応し、低い声で話しかければ、低い声を返します。

このことが、分かると「声の高さは、人それぞれ、好みがあっていい」とは言えなくなるのです。なぜなら、幼児期の発展途上の子どもに「刺激」を与え、能力を引き出すためには、日々、幼児たちと過ごす先生の声に、気力があふれ、幼児が受け止め易い「高めの声」の方が、幼児に好ましい影響があるからです。

講習会が終わり、ある園長先生が、こんなお話をしてくださいました。禅宗の僧侶でもあるその園長先生は、インドから中国、日本へと伝わったお経は、サンスクリット語が元になっているそうですが、そこには、独特の音程(節回しやイントネーション)があるそうです。

そのため、お経にも音程のいいお経とそうでないお経があるのだそうです。たとえば、師匠の音程がよければ弟子も修行を経て、どんどんそっくりで上手になるといいます。反対に、音程が悪い師匠につくと弟子も同じような音程になり、木下式と一緒」ということでした。

「音程の良し悪し」が、聴覚の発達や言葉の発達、物事を受け止める能力にまで、影響するからこそ、木下式に関わる大人の型には、目の前にいる幼児に大きな影響を与えている責任を忘れずに、日々、声質や音程に磨きをかけて修行を続けてほしいと願っています。
by k-onkan | 2017-08-20 23:47 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

どんな時代でも変えないでいたいこと

夏休みに入り、信越地方でピアノの講師をされる方から、「木下式の絶対音感をつける方法を学びたいので、東京で講習を受けたい」とのお問い合わせをいただきました。私は、木下式は「絶対音感」を付けられる教育体系ですが、「絶対音感」だけを目的に勉強することは、簡単ではないので、軽々しくはおすすめできないことをお伝えしました。

e0143522_214524.jpg本来、一般の営業であれば、自社製品のマイナス点は、決して口にせず、いいところだけを強調して売り込むところなのかもしれません。しかし、木下式が、50年という長い歳月、成果を上げ続けられたのは、創始者の「正しく指導体系を理解して子供のためになることをする人にしか実践してほしくない」という理念があったからです。ビジネスを考えれば、マイナスにも見える創始者の理念は、これまで、誰にも曲げられずに来ました。その頑固さゆえに、子供を取り巻く環境が変わった現代でも、幼児たちに一定の能力を与え続けることができたともいえそうです。

幼児期の教育は、「音感だけ」身に付けさせようと思っても、実現しません。それは、相手が幼児ゆえに、しつけも含めて総合的に身体、頭脳、心の発達を促さないと、「音楽の基礎」を育むことができないからです。そのため、一般の音楽を教えるように、「絶対音感を得るためだけ」に勉強すると、指導者も幼児も苦しくなってしまうことがあるのです。何より、木下式の指導法は簡単に見えますが、指導者が技術を習得に長い時間がかかります。

もし、これが、「誰でもいいからやってほしい」「成果が出なくても、大勢、取り組み、利益が出ればいい」という考えで行ってきたら、これほどまでに、大勢の人たちが、「子ども時代に木下式を受けてよかった」とは言ってくださらなかったであろうと思います。

これからの時代は、両親は共働きが当たり前で、どんなに「乳児期は親元で育てるのがベスト」と言っても、それが困難な時代になっていくのでしょう。親が常に成長を見守り、自分のことのように楽しみにしなくても、
それでも、幼児、児童の能力を最大限、引きだすために、これからの時代にあった工夫をして、いろいろな課題を乗り越えていかなければと思うのです。そして、いつの時代であっても、「子どものため」を思って、実践してくださる方を育てていきたいと願っています。
by k-onkan | 2017-08-10 17:29 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

子供も大人になるから・・・

講習会の最終日は、小学校が夏休みになった2年生の甥Kに「幼児役」を頼み、「かるた取り」の実践を行いました。若い先生たちが、一生懸命、考え、考え指導するのに付き合い、真面目な顔で惑わされることなく、正しい声で歌おうとするKの姿を頼もしく思いながら、「あぁ~。大人になっちゃったんだなぁ」と少し寂しくもありました。

e0143522_16372135.jpgなぜなら、まだ3歳だった頃のKは、講習会に来る幼稚園の先生の発展途上の指導に、木下先生が怒るより先にKがイライラして白目をむいたものでした。きっと子ども心に「一体、何度、間違えるの? Kちゃんは何回、歌えばいいん……」と怒っていたのでしょう。

相手は、子どもでも侮れません。なぜなら、子どもとはいえ、先生の指導がスムーズで、どの先生は歌いにくいなど幼児であっても、一瞬にして見抜く力があるのです。そして、木下式の講習会に検定試験があるのも、新卒であっても「先生」と呼ばれたら、その責任を果たさなければなりません。

今回は、試験を受けた先生の中で、「文句のつけようがない先生」もあれば、「あともう少し、頑張って」という先生もいます。「あともう少し!」の先生は、現在の課題点だけを、重点的に勉強していただき、追試験を行います。

できれば、一回で合格する力をつけて受験してほしいと思う反面、追試だった先生が、少しずつ上手になっていく様子を見ると、「追試制度」は、一度で苦手意識を持って諦めないために大切なものだと思います。

でも、最終的に、一番、大事なのは、どの先生も、子どもの前に立ったら先生らしく、指導できることです。子どもにとって大事なことは、「担任の先生が試験に合格しているかどうか」より、目の前の課題を的確に教える力を持っているか、どうかだと思います。いいかえると、試験に合格しても、十分な力が伴っていないと、子どもに迷惑をかける、ということです。どうか、講習会を受けている先生たちにも更なる進化を遂げてほしいと願っています。
by k-onkan | 2017-07-25 23:34 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

報われない努力はない

女優であり、最近、偏差値の高い私立中学に合格した芦田愛菜さんが、王貞治選手の「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのなら、それはまだ努力とは呼べない」という言葉を胸に、これまで頑張ってきたという話を聞いたことがあります。

e0143522_9575440.jpg講習会に参加する幼稚園、保育園の先生たちは、「検定試験」のために、毎日、遅くまで残って勉強しています。でも、「努力の仕方が違うのでは?」と心配になることがあります。

木下式の講習会で、「検定試験」があるのは、幼児の前に立って、先生らしくない模範唱(手本)を示したり、先生らしくない「話し方」をしたりすることがないように、先生としての技術を身につけるために、行われています。

決して「受けること」に意義があるわけではないので、あまりに、未熟な状態であると「勉強不足」「まだ、受ける段階に達していない」と厳しいこともいうことになります。不合格を申し渡して、泣かれるよりは、恥をかかせる前に受けることを止めるという親心でもあるのですが、若い先生は、「受けさせてもらえない」ことに涙してしまうようです。

「努力は必ず、報われる。もし報われない努力があるなら、それは、まだ努力と呼べない」。
明日、試験を受ける8名の先生たちに、この言葉を送りたいと思います。
by k-onkan | 2017-07-24 23:57 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

三期講習会が始まりました!

木下式を指導する幼稚園、保育園の先生を対象にした講習会が始まりました。今回は、幼児の発声不良を改善するための「刺激度」、そして、幼児が大好きな「かるた取り」の講義が中心となります。

e0143522_9171313.jpg手前味噌ですが、幼児期に木下式を行うと、集中力が長くなったり、自分から連想したり、記憶する力が向上すると感じます。何より、一番、声域が広くなり、歌が上手になることは、子どもにとって、プラスになるようです。音楽を楽しめると幸福感が増すと言われているからです。

一般には「歌なんて歌えなくてもいい」と考える方もいると思いますが、木下式の歌唱指導は「言語訓練」が基本になっているので、この訓練を受けると、ハキハキと鮮明に話せるようになるため、音楽以外で評価されることの方が多いようです。

子どもの頃から、「木下式」と共に生きてきた私は、以前は、この教育を受けていなくても、なんらかの方法で、幼児期に誰もが同程度の能力を身に付けて、小学校にあがるものだと漠然と信じてきました。事実、私が子どもの頃は、同じ幼稚園、同じ小学校に通っていた中で、それほど大きな能力差を感じたことはありませんでした。音楽だけでなく、書道、バレエ、家業など、それぞれの育つ環境の中で必要に迫られて、集中力や記憶力を身に付けていたと感じます。

しかし、今は、保育園の時代です。早いお子さんは生後数か月から、長ければ一日十時間以上、預けられて育ちます。どこの保育園でも、「乳幼児」の特性を理解して衣食住を整え、好奇心を持って遊んだり、挑戦したり、それぞれの子どもに必要なことが身に付けられる環境であってほしいと願いますが、保育士の人数や経済的な理由など、さまざまな理由から難しいことの方が多いように感じます。そんな中で、子どもたちが、将来、社会で生きるために最低限必要になる集中力、記憶力、好奇心をもって学ぶ力は、意図的に与えないと、子どもが自然には身につけられないように感じます。

そ木下式を採用する幼稚園、保育園の先生方が「指導法」を学んでいる理由は、幼児に「教えること」は先生が手本を示せるようにしなければならないからです。これは、たとえ、新卒の先生であっても、幼児の前に立ったら「先生」なので、例外はありません。

しかし、不安に感じていることもあります。それは、毎年、少しずつ、短大を卒業して幼稚園、保育園の先生になる若い方たちに、変化を感じるからです。私が、若い頃は、「幼稚園の先生」になる方は、子ども好きで明るくて、「自分はこれを子どもに伝えたい」というアピールのようなものがありました。しかし、最近は、人生でまったく声を出したことがない、主張したいこともない、他人の後ろの隠れる遠慮がちなタイプも増えてきました。個々人がどんな性質を持ち、どんなタイプであることも自由でしょう。しかし、幼稚園、保育園で園児に「先生」と呼ばれる間だけは、自分の内気な性質を隠しし自信を持って先生らしい声を出し、教えたり、諭したり、できるようにしなければと思います。

三期講習会で、幼稚園、保育園の先生たちが講習を受けて、木下式を学ぶことは、音感教育を実践する以前に、「先生らしく子どもの前に立つ」ための重要な役割をしめているとかもしれません。
by k-onkan | 2017-07-23 23:08 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

姿勢よく立って歌えるのも成果!

埼玉県の幼稚園の指導にうかがいました。新たに木下式をはじめた年少さんたちは、「音感かるた」を覚えて、先生の「ハイ!」の合図で、すぐに声を出すことを覚えたようです。これから、少しずつ声の出し方、口の開け方を覚え自分の両足で立って、力強い声が出せるようになることを期待しています。新任の先生たちも、一生懸命、音感かるたを勉強して取り組んでいらっしゃいました。

e0143522_0375162.jpg年中クラスと年長クラスは、昨年度も指導しているため、子どもたちは余裕の表情で「後できてね」「麻奈先生、今日は音感するんでしょ?」と声をかけてきます。開始当初は、フラフラしていた子や先生に抱きついてみんなと参加しなかった子も、直立不動で参加できるようになったところに進歩を感じます。

今年は年長になってから転園児があったそうです。担任の先生は、これまで「年長になったら、音程の良し悪しに個人差があっても、誰もが直立不動でお腹の底から声を出せるようになる」と信じていたようです。しかし、途中入園のお子さんと出会ったことで、「ふらつかずに直立不動で立って歌うこと」が、これまで木下式を実践してきた成果であったことにきづかれたそうです。

そのお子さんは、最近、クラスに参加したとは思えないほど、どの課題もみんなと一緒に参加できる賢い男の子でした。しかし、発声だけは、これまで経験したことがないため、「声が出ない」ということで、レッスンの後に、声を聴かせていただきました。歌を歌う以前に、長く呼気を吐き続けて声を出したことがないようでした。

賢いお子さんにとって、「自分だけできないことがある」のは自尊心が傷つくこともあるものです。また、個別に担任に発声訓練をされても、苦手意識ばかりがつのるかもしれません。そこで、同じクラスの男児たちの手を借りることにしました。

本来、模範唱は、同年代の同性の子どものものが、効果があるのです。特に今年の年長児は、昨年に増して声がいいので、どの男児も自信を持って、「友達のお手本をしてあげたい」「い声を聴かせてあげよう」という意欲が感じられます。転園児のお子さんも、その姿に負けまいと声を出すので、「出ない」と思われていた子が出るようになっていきました。きっと、卒園までには、他の子と負けない声量が身につくのではないでしょうか。

この幼稚園の年長児たしの自信をもって口を開けて、全身全霊で歌う声を聴くと、どんなに苦手だと思うことでも、諦めずに継続することが、力になることが感じられます。30年前に初めてこの園にうかがった時には、この幼稚園の子どもたちが、これほどまでに素晴らしい姿を見せられるようになるとは正直、想像はつかなかったのですから。
by k-onkan | 2017-06-19 23:36 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

幼児にわかりやすい方法

木下式は「音感かるた」を使って歌唱力や音感能力を付けます。一見、単純に見える音感かるたですが、実は、とても奥深い訓練です。なぜなら、幼児たちは、音感かるたを通して「視覚から理解すること」と「聴覚の情報から理解する」という二種を体験するからです。

e0143522_15434323.jpgこの訓練を「絵あてかるた取り」といいます。幼児たちは「シカさんが出てきましたよ。目から涙を流して泣いていますね」と説明された後に、「シカさんが目から涙を流して泣いているかるた」という詳細によって「茶色のシカが泣いている図柄(しかられたのシ)」を想起しなければなりません。

幼児たちの中には、音感かるたを見れば「しかられたのシ」と言えても、「泣いている、シカさん」と聞いて「しかられたのシ」の図柄が思い出せないお子さんがいるのです。たいていの子は最初から分からなくても、長く反復すれば理解できるのですが、人の何十倍も時間を要する子がいるのです。それは、外国出身のお母さんを持つ幼児たちです。きっと、音感かるたの説明の中に出てくる言葉の意味を真からは理解できていないということなのでしょう。

外国語を学ぶと、相手が言っていることは分かっても、自分が正しく話すことはできない、という状態が起きたりします、これは、「聞く力」と「話す力」が同等ではないということになりますが、双方のバランスがよくないと、真の意味で言葉を理解しているとは言い難いように私は思います。

音感かるたもそれと同じで、目で図柄を見ても、耳から想起語を聴いても、視覚、聴覚の双方から、「かるたの意味づけと図柄」を理解できてはじめて、「音感かるた」によって、音感能力を付与できるのです。

先日、お母さんになった卒業生が2歳5ヶ月になった娘のレッスンを見ながら、幼い頃に自分も勉強した教材を懐かしんでいました。その目の前で、わが子が、線上音の音符書きを理解するプロセスを見て「自分が教わっていた時には、気づかなかったけれど、本当に幼児が理解しやすいように、作られているのね」と、木下式の指導法に感心してくれました。

卒業生は、自分自身、幼ない頃からこの教育を受けて、音符の読み書きができたり、歌が歌えるようになっています。しかし、子どもだったゆえに、それが「どのようなプロセスと方法で、与えられた能力か」は考えたこともないのでしょう。わが子を通した追体験によって、木下式の指導法の細やかさに気付いてくれたら、これほど、嬉しいことはないのです。
by k-onkan | 2017-06-14 23:39 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

子育て講演をしてきました

愛知県の幼稚園からのご依頼で「子育て講演」をさせていただきました。この幼稚園での講演はこれが3回目なのですが、今回は数年前に出会った「保育園の子どもたち」に教わったことを通して、保護者の皆様に、どのように子どもと関わり、可能性を伸ばしていただきたいかについてお話をさせていただきました。

e0143522_1939172.jpg木下式は、幼児期の音感教育で音楽の基礎を身につけさせる教育であるため、ときに「音楽が好きな子はいいが、そうでない子には必要のない能力」というご意見をいただくことがあります。しかし、実は、木下式が習得させるのは、歌唱力、聴音能力だけではありません。

音感かるたを使った独創的な音感教育は、子どもたちに①鮮明な言葉、②意識して記憶する力③集中力・忍耐力④自己主張⑤自信のある声⑥音感能力⑦手指の機能を高める⑧体幹を育てる⑨善悪の区別⑩協調性を育てます。そして、これは、音楽の好き嫌いに関係なく、就学する子どもには、与えたい能力ともいえます。

私が、「小1プロブレム」という言葉をはじめて聞いたのは今から10年近く前のことでした。小学校に入った新1年生が、45分の授業を我慢できず、立ち歩いたり、騒いで、授業にならないという問題でした。

私たちが、子どもの頃には、小学校にあがる年になったら、机に着席して、静かに先生の話を聞く、というのは、「できて当たり前」のことでした。それが、なぜ、いつから、どんな理由でできなくなったのでしょうか。その問題は、年々、対策を考えられても、解決されておらず、今でも、「授業にならないクラス」というは、公立には存在するようです。

そんな中にあって、「木下式を採用している幼稚園、保育園の卒園生は聞く力があって、言葉がはっきりしていることを評価され、「幼児期に音感教育を受けられてよかった」という保護者の言葉もいただきます。

それでも、音感教育は、「音楽が好きな子」だけで、いいものでしょうか。できれば、小学校で一緒に勉強する子どもたち、全員に当たり前のように、学習の素地を与え、送り出したいと思うのは、難しい願いなのでしょうか。

幼児は、大人と違って、謙遜したり、卑下することはなく、ただ素直に「みんながやっていること」は「自分もできるようになりたい」と願っているものです。また、たとえ、少しくらい難しいことも、友達と一緒なら、楽しめたりするものです。これは苦手だけど、あの課題は好きなど、子供たちは、それぞれ、自分なりの付き合い方を見つけて、みんなと一緒に音感教育を受けています。保護者の皆様には、その可能性を信じて、応援して、見守っていただければと思うのです。子どもが本当に「音感が好きか嫌いか」は、将来、本人が大人になるまで、分からないのですから。
by k-onkan | 2017-06-05 19:37 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

心がないと音楽にならない

岐阜の幼稚園で園内研修があり、新任の先生とベテランの先生が休日を返上して、木下式の指導法を勉強されました。はじめて、木下式に出合う人にとって一番、難しいことは「言葉」の扱い方でしょう。アナウンサーや役者さんなど話すことを専門にしていないと、「母音アエイウオ」を意識して、話す習慣がある人は少ないからです。しかし、幼児に正しい発声を教えるためには、母音の習得は避けて通れません。

e0143522_1823213.jpgもう一つ、木下式の指導を学ぶ上で必要なことは情感(心)です。音楽でも言葉にも大事なことは表情が豊かであることだと思います。「喜びの音色」「怒りの音色」「哀しみの音色」「幸せな音色」は、楽器の音色にも、言葉の響きにも、そうした表情は浮き上がるのです。音楽には、「遊び心」が求められます。どんなに楽譜に忠実で技術があっても、表情がなければ、決して、感激はしないでしょう。

一般に新人の先生は、木下式の「研修」に参加すると、「何をさせられるか」とオドオドしています。そんな中で、お腹の底から全力で発声をする木下式の訓練をしても、緊張で声も出ないでしょう。そこで、新人がいる時は、「趣味や好きなことは?」を聞いて、リラックスさせ、それぞれの性質を観察しています。

これまで、いろいろな場所でこの質問をして「山登り、ボルダリング、食べ歩き、スポーツ観戦、サッカー観戦、ショッピング、クッキング、読書、ピアノ」など、多種の答えが返ってきたものでした。そして、それぞれの「好きなこと」に取り組んでいる時の高揚した気分や感情を使って、お腹の底から声を出すきかっけにしてきました。

今回、ショックだったのは、「趣味は思いつきません」という答えにはじめてであったことでした。「趣味がないなら、好きなことや、していて楽しいことは、ないの?」ときいたのですが、「パッとは何も……」というのです。

自ら「声は低い方です」というこの先生でも、幼児たちと接するのですから、そのまま放置するわけにはいきません。この先生の声域を拡大するために、私を全力で押させたり、ボールを素早く投げさせたり、足をあげさせたりしながら、同時に声を出すことに挑戦させました。その先生は、私が「高音まで声を出すまで、諦めない」と気づくと、自分から口を開け、自分の持っている声を隠さず、出すようになっていきました。

しばらく、先輩教諭に相手をしてもらい、ボールを投げながら素早く声を出す、壁を押しながら声を出すなど、大人になったらあまりしない「子どもの遊び」のようなことをしながら、声を出しました。身体を動かしている時は、声を出すのですが、しばらく立つと、また普段の低く小さい声に戻ってしまいます。声が自然に出せるようになるまで、身体と連動して声を出すことを、練習した方がよさそうです。

「趣味がない」というその若い教諭に、「これからは、幼児に教える「音感かるた」が趣味になるように、一生懸命、頑張ってほしい」とお伝えしました。教えることが、上手になれば、毎日の仕事が一番、好きになることもあると思うからです。そして、次に会う時には、声が出るようになっていることを期待しています。
by k-onkan | 2017-05-28 23:56 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

やってよかったと言われるように!

千葉県の西南にある保育園に私が指導に行くようになり、4年が経過しました。その地域は、最初は、20団体弱しかなかった保育園がどんどん増えて、もうすぐ三十数園になる予定です。行政は待機児童の解消のために、保育士さんが不足していても、どんどん増やしているそうです。しかし、実際はその中に定員が満たない園もあり、保護者は「内容」を見て保育園を選ぶ時代になったのかもしれません。

e0143522_16531289.jpgお蔭さまで私が教えに行っている保育園は希望者が多いとのことで、園長先生から「音感をはじめて3年が経って確実な教育成果を現場の先生たちが、肌で感じられるようになったことが大きい」との言葉を頂きました。以前から、「英語や工作、読み聞かせ、運動」等、幼稚園のように、いろいろな教育をしている保育園でしたが、それでも、園長先生の悩みは、地域の小学校の入学式で目にする自園の子どもたちの行儀や集中力の不足にありました。それが、音感教育によって、卒園式や入学式でも、教育の成果が感じられるようになったと言っていただいたのです。

木下式は、音感かるたを使ったカリキュラムで、発達に差がある幼児たちであっても、それぞれに、発達せざるを得ない状態にしていく教育です。音感を通して、意識して、見る、聴く、体を使って反応するということを集団で取り組むことから、最初は「声が出ないから音感が嫌い」「歌はあまり興味がない」と言っていた子どもでも、いつしか、歌うことに自信が持てるようになり、それが自信になるのです。

園長先生は、音感をはじめた当事、お母様から「音感がある日は保育園に行きたがらず、困っている」と相談を受けたKくんにとって、この教育がすごくよかったと言われます。なんでも、卒園式ではとても目立って頑張っていたようで、ご両親も教育の成果をとても喜んでくださったようでした。

最初は「友達ができて、自分が苦手なこと」は、誰でも、「やりたくない」と思うものです。しかし、それは、「できない」から「やりたくない」のであって、できるようになれば、「楽しいこと」に変わるのです。

最初に、この保育園にうかがった際には、私自身、「1年間で、果たして、この子たちをどれだけ発達させられるか」、正直、とても心配でした。特に、「この教育に向いている子はいいと思うけれど、向いていない子にはかわいそうなのではないか」とのご意見を下さった保護者の方の子は、名前を呼ばれても返事もせず、言葉もあまりなかったお子さんでした。しかし、1年後には一人で歌が歌えるようになり、卒園式の呼びかけの言葉も、皆と一緒に、それぞれ担当した言葉を述べていました。親御さんからも、「きちんと言葉を記憶して、はっきりと発表できたのは音感のおかげ」とのコメントを頂きました。

その翌年から、正式に3歳児から5歳児まで月3回のお稽古を指導するようになりました。今年の年長児は保育園で3年間、木下式を勉強した子どもたちです。最後の1年でどこまで伸びるか、とても楽しみにすると同時に、これまでの年長児以上の、成果を披露する責任を感じているところです。
by k-onkan | 2017-04-26 23:50 | 木下式音感教育法 | Comments(0)