麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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切ないけれど、たいへん!

3月31日は「ミミにイチばんいい日」ということから、「オーケストラの日」なのだそうです。今から半年ほど前、楽院に、「ポスターの絵を募集!オーケストラの絵を送ってください」と連盟からお知らせをいただきました。楽院の児童にも配布しましたが、関係者に申し訳ないので、甥Yに水彩画を描かせて送ったのです。

e0143522_7531558.jpg黄色い背広を着た髪の毛がフサフサした指揮者は「若い頃のジィジ」でオーケストラを振っているのだと、涙が出そうなことを言いましたっけ。その絵は、申し訳ないほど小さくではありまが、ポスターのすみに使っていただけたようです。今日31日が、ご褒美の音楽会だったのです。しかし、コンサートホールで行う一般の音楽会には、未就園児のKは連れていくことができません。私は、てっきり、夜の音楽会の付き添い役を仰せつかるのだと思っていました。

ところが、「まぁちゃんは、Kちゃん、好き?」との瑠音先生で言葉で、Kとの留守番に任命されてしまいました。何でも「行くならお母さんと行きたい」と兄甥が言ったのだそうです。身内なので「好き、嫌い」で聞かれたら、「好き」と答えるしかありませんが、「夜のお預かり」を前提にした「好き」は疑問です。長子は自分を可愛がってくれる大人となら、誰とでもうまく過ごすことができますが、二番目は、基本的に「お母さんからの愛が足りない!」と平素から不満を持っているので、こういう時に大きな抵抗を示すからです。ニィニと一緒なら全く問題はないのですが・・・。

しばらくは親戚の家で猫と戯れたり、ご飯を食べたりと楽しく過ごしていましたが、夜の帳が落ち、あたりが静かになると寂しさが増したようです。クレヨンで遊ばせたり、絵本を読んだり、モップの柄に摑まってぶらんこなど、考えつく楽しいことは全て駆使しましたが、途切れると「ママ、いなぁい」「ニィニ、いなぁい」と泣きそうになります。気分を変えるために、兄甥のビデオを流しました。音楽が流れている間は、嬉しそうに、「ニィニ、ニィニ」と画面を指差し聞いていますが、途切れるとあたりを見回して、「いなぁい」と泣きそうになるのです。「ニィニは、音楽会。もうすぐ帰ってくるからね。ママも絶対に帰ってくるから大丈夫」。言い聞かせながら、子どもは、お腹を痛めた母親をこんなにも焦がれるものか、震災で親を失った幼い子供の気持ちを想像すると、とても切なくなりました。

「Kは、水泳を習っているから、頭からお湯をザバンとかけても、全然、問題ない」とのことでしたが、まず、体を洗って湯船に入れまでが大騒動。Kの気持ちを代弁すると、「ここでお風呂に入って、パジャマを着るなんて、聞いていないじゃないかぁ。ママはどうしたんだ?」とギャオーと泣き続けます。まるで、虐待で通報されそうな大声です。どんなに言い聞かせても、第二子は、自分の思いを通すまで泣き続ける強い意志を持っているので、なだめることはできません。

気分をそらすために、頭を洗おうと湯船から出すと急に泣き止みました。「危険な目にあわされないように・・・」とでも言うように、神妙に私の一挙手一投足を観察し洗われています。「頭からお湯をかけても大丈夫なの?」と聞くと、「ウンウン」と首をふります。確かに、頭からお湯をかけても、動じない点は、怖がりの長子よりずっと楽だと感じるのです。ところが、湯船に入るとまた、「ギャオー」。どうも、我が家の湯船が嫌いなようです。パジャマを着せて寝かしつけても、「お泊りにさせられたらたいへん」と目をギラギラさせています。抱っこをして廊下を歩いてやっと寝付いた頃に、、「ごめんね。今、終わったの。これから帰ります」との電話がありました。今日は誰よりも私が、ぐっすり深く眠れるに違いありません。
by k-onkan | 2011-03-31 23:51 | 幼児 | Comments(0)

ため息をつきたくないけれど

未曾有の大震災が起きて、私たちの価値観に変化が求められていると感じています。これまで、十二分にあった電力、水、物資が一瞬で、私たちの手の中からこぼれ落ちていくようです。運休する電車があったり、駅構内の電気を暗くしたり、百貨店の営業時間の短縮、銀座や新宿などもネオンや照明が姿を消しました。今までが恵まれすぎていただけかもしれませんが・・・。

e0143522_22575093.jpgこの震災の後、アメリカにいる大勢の友人やお世話になった家族から、安否を尋ねる連絡がありました。中には、「飛行機代を出すから、すぐに避難してくるように」という人さえありました。そして、異口同音、震災のお見舞いと共に何度も耳にしたのが「日本人の礼儀正しさ」「忍耐強さ」「道徳感」がいかに素晴らしいかということでした。「給水所で長い列でも誰も罵る言葉を口にするでもなく、一列に順番を待つ」」「諸外国なら、被災地では人のいないスーパーマーケットなどに強盗や物取りが横行するのが当たり前なのに、日本ではそういうこともない」等などでした。

あるアメリカの放送局では、メインキャスターの女性が被災地にレポートに入ると、そこには、被災者がとても不便な生活を強いられていたにも関わらず、炊き出しの汁物をそのキャスターにも差し出したのだそうです。そのキャスターが「とんでもない。どうぞ、皆さんで召し上がってください」と丁重に断る姿がニュースで流れたそうです。尊敬する櫻井よしこ氏は、雑誌の記事で「なぜ日本人はこんなに冷静に、他者への配慮にあふれた行動をとれるのかと外国メディアは問うが、「それは私たちが日本人だから」と答えるしかない」と表現されていますが、本当に「日本人であること」を誇りに思える話ばかりが報道されています。

日本人としての品格―恥ずべきことをしない、他者の気持ちを考えるなど等―日本の古き良き部分が評価されたと嬉しく感じますが、同時に、不安も感じます。もし、この震災が、これから10年後、20年後だと仮定したら、今の日本人の素晴らしい姿はもうどこにもないと思うからです。「辛いことはしない」「嫌なことはしない」「我慢はしない」「他人より自分」「自分さえよければ」ということがまかり通ってしまっているのが、大多数の現在の教育のあり方です。その中で震災があったら、諸外国で起きるいろいろな犯罪は日本でも起きるようになっても不思議はないと思うのです。

海外在住の友人から、「でも、こうして周りに気を使いすぎるから、苦言を呈されても「自分は一生懸命やっているつもりなのに」と、ぼやくような総理大臣ができてしまうのか・・・」と嘆きの言葉もありました。しかし、私はこれは気配りの問題ではなく、リーダーとしての資質や責任感の問題ではないかと感じます。気配りや協調性があっても立派なリーダーが日本にはかつて大勢いたはずです。

楽院の生徒は高学年になったらいろいろな責任を持たせすが、たとえ木下先生から、「指導力がない」と叱られたとしても、「自分は頑張っているのに、認められない」などと弱音を吐いたりはしないであろうと思います。なぜなら、たとえ、努力をしても、結果を出さなければダメだと、平素の合唱練習や音楽訓練の中で身をもって体験しているからです。「責任を持たされるとはどういういことか」。子供の方がその本質を理解できているのかもしれない・・・。と思わずため息が出てしまったのでした。
by k-onkan | 2011-03-30 22:56 | 児童 | Comments(0)

メパちゃん、ありがとう!

辛いことが多い時勢ではありますが、その分、いろいろな方からの温かな言葉やメールに私は元気をいただいています。さて、先日、春の講習会の代替講習のために各地に回わることをブログに書きました。すると、あるお母様から嬉しいメールをいただきました。

e0143522_10242565.jpg大阪に避難されているAくん(通称メパッチ)のお母様です。Aくんは仙台のひろせ幼稚園で木下式に出会い、お父様の転勤で東京にやって来ました。楽院には7年近く在籍して、今年の春に名誉団員の証を渡す予定でしたが、卒業式は延期中。そんな彼の特技は素晴らしい音感能力です。これまでも、北京公演や今年の音楽祭で、「絶対音感のデモンストレーション」によって私たちを手伝ってくれています。そんなAくんなのですが、低学年の頃は、木下先生に、求められる事柄をどうしても理解できず、叱られる度に木下先生に反抗的な態度をとり、逆鱗に触れたこともあるのです。時を経て、音感が自分の一番の特技であり、心の友であると実感し始めたのが最近のAくんの様子です。

さて、東京で講習会を行う際には、若い教諭が「難しい理論」に対して苦手意識を持たないように、手近な子どもの歌声や聴音能力を見せて、木下式の成果を説明したり、講義したりすることが多くあります。たいていは、瑠音先生の子を使います。しかし、時期も時期であり、交通費のかかる1年生の甥Yの同行は難しいのです。大きな災害の後、両親から引き離すこともご心配くださったのでしょう。

「現在、子どもたちと共に大阪の親戚にいます。何かできることはないかと、義援金を集める活動などをしていますが、先日、麻奈先生のブログで「いっちゃん」が「音感にくることを楽しみに頑張っている」と知り、自分たちにも何か「音感」のためにできることがあるのではと考えました。もし、これから、麻奈先生が、関西、東海、九州など西日本地区に講習会に出かけるのならば、息子二人を是非、使ってください。お世話になった木下先生や廣野先生(ひろせ幼稚園の園長)に少しでもご恩返しができればと思います。ひろせ幼稚園との出合いが息子にお金では買えない豊かなものを与えてくれました。楽院の生徒として、協力できることをしたいと思っています」

あいにく、メールをいただいたのは、名古屋と大阪の幼稚園の代替講習が終わった直後のことでした。また、九州地方の講習会は春休みが終わってからになりそうです。せっかくの有難いお申し出ではありますが、お断りすることになりました。しかし、こうして、私たちのために力を貸してくださる保護者や卒業生の存在こそ、お金には代えられないかけがえのない財産なのです。メパッチ!小メパッチ!そして、ママパッチ!本当にありがとうございます。

(あだ名をつけたのは私ではありませんが、親しみと愛情があるからこその通称であり、「子どもに対するいじめだ」などの誤解がありませんようにくれぐれもお願いいたします)
by k-onkan | 2011-03-29 23:18 | 名誉団員・卒業生 | Comments(0)

捨てる神あれば・・・

現在の東京周辺は、必ずしも年齢の低いお子さんにとって、好ましい環境ではありません。楽院児の中にも安全な西日本方面に避難する家庭も多くあります。体が小さくて可愛い男の子Sくん(通称マメツブ)も、その一人で、現在、愛媛県にあるお母さんのご両親のところに滞在しているそうです。

e0143522_225219100.jpgそのSくんのお母様から、最近、メールの近況報告をいただきました。「実家のすぐ近くで、少年少女合唱祭全国大会がありました。富山県代表でむつみ児童合唱団が参加されていて、図らずも素晴らしい歌声を聞くことができました」。世の中は広いようで、狭いものです。むつみ児童合唱団は、富山県で木下式を採用するむつみ幼稚園の卒園生による合唱団なのです。

Sくんのお母様は、遠く富山から四国の大会に参加された子どもたちの「音感教育に基づいた力強い歌声、正確なハーモニーはどの合唱団よりも素晴らしかった。ステージ上の姿勢、入退場の態度など、どれを取っても一番」とわざわざ知らせてくださったのです。頭声発声の合唱団の中で、木下式の力強い歌声―幼童発声は、大人の心を揺さぶる力があるであろうと感じます。特に、世の中がこんな時勢なので純真な子どもの歌声が大人の心になお、響くのかもしれません。

震災が起きてから2週間が過ぎましたが、恐ろしい報道は相変わらず続いています。その影響でしょうか。「遠方から子どもを連れて、音感を続けることが不安」「これから先、何が起こるか分からないから」と、震災後、退学を決断された方も多くあります。一人ひとり、一生懸命、教えた子供たちなので、たいへん残念ではありますが、保護者の方が決断されたことなので、私たちは受け入れるのみです。

そんな中、原発の恐怖の中、通い続けることに不安を感じたご両親が、「楽院で習った歌を口ずさんだり、音感ごっこをするわが子の姿によって、「子どもたちが生き生きできる場を取り上げてはいけないのでは」と続ける方向に気持ちが変わったそうです。また、こんな時期でも、木下式の教育理念に感銘を受け、新たに体験授業や入学申込をされる方もあり、捨てる神あれば、拾う神ありなのかもしれません。

不謹慎だと言われても、子どもの歌声が大人の心を癒すことはあると思います。とは言え、現在の危機的状況は当分、続きそうです。9月に予定している楽院のオペラ公演も、このままでは実現は不可能といえるでしょう。一年前から会場を確保し、指揮や振付の先生や、さまざまなスタッフにお願いしてきました。オペラを楽しみにしている子どもたのためにも、中止は避けたいと思っています。しかし、皆がお腹が満たされ、心が満たされ、はじめて芸術や文化が楽しめるのも事実です。現在、会場に交渉して、中止ではなく延期という方向を模索しているところです。
by k-onkan | 2011-03-28 22:51 | 幼児 | Comments(0)

なんでもみんな有難い!

一向に終息すると思えないニュース報道とは裏腹に、なんとなく、世の中は日々の時間が過ぎているようにも感じます。電車も8割ほどは走るようになったこともあり、久しぶりにまゆみ先生が千葉から出てきて、一緒に仕事をしました。これまで特急で1時間の道のりを「近い」と思っていましたが、快速電車を何本も乗り継いで3時間近くかかったと聞き、千葉が遠くなったと感じています。

e0143522_1112474.jpg退屈した子どもたちがいる瑠音先生一家を呼び出し、お昼ご飯を一緒に食べることにしました。私たち大人が子供たちの姿に癒されたかったのです。1歳8ヶ月のKは、「ドージョ(どうぞ)」と水を配ったりお手拭を手渡したり、この数週間の成長を披露します。そこに定食の膳が運ばれてきました。嬉しそうに手をつけようとする7歳のYに、「こんなご馳走が食べられるYは、とても幸せなのよ。感謝しなくちゃね・・・」と声をかけました。すると、「え?これって、ふつうでしょ?」。特別に贅沢なものを頼んだわけではないという意味のようですが、その言葉が心配になり、私たち大人は、「ふつうじゃないのよ。被災地では、一日におむすび1個とか、ドーナツ半分しか食べられない日もあったのよ。だから、これはとても贅沢なのよ。感謝して食べてね」。

Yが通ったTACチャイルドクラブでは、1年に何回か「白いご飯だけの日」「おむすびの日」などがありました。いざという時に粗食に耐えられるようにとの配慮でした。そんな体験をさせていただいていても、日々の恵まれた生活によって、「これが普通で当たり前」と感謝を忘れてしまうのが人間です。この震災を機に、いろいろなものに感謝して、生活を変えなければとも思います。さて、食べ物があることに感謝して、家にあるものをコツコツと食べていた私は運動量と仕事量の減少で体重が増えてしまいました。被災地に申し訳なくて痩せなければならないところを、ストレス太りだなんて恥ずかしくて他人さまには言えません。今日から、食べるのも自主停電にしなければと思っているのです。
by k-onkan | 2011-03-27 23:11 | 自分のこと | Comments(0)

元気をいただきました

仙台に住む教え子、いっちゃんからメールがありました。大地震の日、楽院に通う皆さんが一番最初に心配されたのが「いっちゃん姉妹」であったと思います。震災直後に、一度メールがつながり無事は確認しましたが、ライフラインが整わないのに無駄な電力を使わせてはならないと連絡を控えていました。「今は幼稚園で寝泊りしますが、もうすぐ家に帰れると思います。今はとてもたいへんですが、オペラの練習に通うことを楽しみに、今は一日もはやくもとの生活に戻るように頑張っています」。東京にいる私たちより、何倍、何十倍も不便な思いをしたはずの年若い女の子の前向きな文面に安心すると同時に、心配にもなりました。

e0143522_10383999.jpgなぜなら、首都圏の電力不足は夏まで続くと言われているからです。私たちが一日の電力を抑えるのは、東北地方の被災者に電気を送るためだと思っている若い人もいるようですが、そうではありません。今まで、首都圏で当たり前に使ってきた電力は、今回、大きな被害を受けた福島の発電所で作られており、その不足が停電です。言わば自分たちことです。

そういった事情から、現在、電力の影響で演劇やコンサート、ナイターなどが軒並み、中止や延期になっています。電力供給が十分でない今、消費電力が多い行事は控えるべきとの考えからです。もちろん、興行を控えることで収入が減収して、つぶれてしまう会社もあるかもしれません。どちらの気持ちも理解できるため、とても苦しくなりますが、現時点では、心情的に中止や延期が当たり前のようです。このことは、震災の前と後で、「オペラ」について同じように語れなくなったことでもあります。とは言っても、被災地で東京に通うことを夢見て不便さに耐えるこの子にこれを伝えることは、とても酷なことです。しかし、中学生になった女の子に、その場しのぎの甘言を言うと後で恨まれることも分かっています。

何度も文面を読んでは消して、消しては打ちして、「計画停電など、いろいろな難しい問題があって、今はコンサートや舞台などがたくさん中止されています。楽院にもその影響があるかもしれません。はやくもとの生活に戻りたいね。私は地方に出かけて講習会をしています。今できることを一生懸命、頑張ろうね」。ショックを与えるのではと不安に思いながら、送信すると「はい。頑張ります」と力強い返事がかえってきました。最近は、大人の私の方が子供から勇気をいただくことばかりです。

原発の近くで命をかけて頑張る名もなき人がたくさんいます。私も苦手なことを死ぬ気で頑張ろうと思います。とりあえず、頭を下げるのが、苦手な私は、図々しく春の講習をさせていただけるようにお願いしたところ、富山支部の上田雅裕先生に快諾いただきました。来週は富山に出かけることになりました。本当に有難いことです。
by k-onkan | 2011-03-26 23:37 | 名誉団員・卒業生 | Comments(0)

ありがとう!

昨日、名古屋での講習を終え、その日のうちに東京まで帰ることも考えましたが、夜の東京の暗さを考え、親戚の家へ向かいました。こんな時は、ご先祖様に「苦難を乗り越えられますように」と神頼み。「困った時にしか顔を見せない」と叱られそうですが、それでも、手を合わせることで気分が変わり少し心も落ち着きました。

e0143522_16403316.jpg昼過ぎに名古屋で卒業生のSちゃんと食事をしました。Sちゃんは、私より一回り下の女性で、現在、大手予備校や大学で英語を教える美しい先生です。今から、25年ほど前になりますが、しらぎく幼稚園には、課外で音感教育を行なう教室があり、週1回、東京から認定講師が出向き教えていたことがあるのです。その時からの生徒です。

山田和樹先生もその教室に通った一人だったのですが、ある時、事情によって教室を閉鎖することになりました。しかし、「喜んで通う子供たちが音感教育を続けられなくなるのは可哀相。何とかして欲しい」と保護者の訴えによって、「東京まで通学するなら月謝免除で私が面倒をみよう」ということになったのです。そして、しらぎくの教室から5人の小学生たちが楽院に編入したのです。Sちゃんたち4人は、毎週、名古屋から新幹線に乗って東京まで卒業まで通い続けたのでした。

「今でも、新幹線に乗って東京に通ったことは、とても良い思い出です。私は東京で育てていただいたと思っています」というSちゃん。その日は90分クラスを6コマも担当して、毎日、休みもないという多忙な売れっ子先生にも関わらず、時間を忘れ4時間近く、おしゃべりをしてしまいました。テーマはもちろん教育と子育てです。Sちゃんは、「社会に出たら、厳しいこと、辛いこと、たいへんなことがある。それを小さい時から当たり前に与え、その克服の仕方を教わったことが、現在の自分にとってどれだけ有意義であったか」と話してくれました。

楽院で幼児期に行なう教育は、その場限りの結果だけを求めているものではありません。数年後、いえ、数十年後、子供が将来、大人になった時に自立した人間に育てるために、行なっているものであったと再認識したSちゃんとのおしゃべりでした。「東京に通っている間のご恩返しがまだまだできていないから」とSちゃんに昼食をご馳走になってしまいました。そして、「しらぎく幼稚園の近くに住んでいます。泊まる場所に困ったら、いつでも、言ってくださいね」。親戚でもないSちゃんが、申し出てくれたことが、震災後のいろいろな難問に立ち向かうための勇気を与えてくれました。
by k-onkan | 2011-03-25 23:38 | 名誉団員・卒業生 | Comments(0)

大人だって楽しいんだから

e0143522_7182232.jpg今日は愛知県にあるしらぎく幼稚園において、春期講習の代替講習を行いました。急な召集にもかかわらず、休日を返上して全教諭が参加してくれました。さて、講義内容は、前日と同じ「音感かるたの体系と段階的実践」なのですが、今日は進め方を少し変えてみました。それは、この園の新任の先生は基礎知識をよく勉強していて、「何も知らない園児」に見立てるには無理があったからです。しらぎく幼稚園の良いところは、教諭の採用がきまると、学生の内から東京の講習会を受講させ、園内でもよく研修をしてから4月を迎えさせることです。そのためでしょう。新任の先生でも、「勉強した自信」が表情からうかがえます。

そこで、私は教諭全員を並べ、言語訓練を通した発声練習を行いました。「セレヘメケテエネレ」「オトモロコホノトソ」「カマラヤハアタサナ」と共通する母音を持ったオンの響きを作る練習と、それを「ドレミファソファミレド」という音階にあわせて歌う練習をしました。幼児には「音感かるた」を使って行う訓練を、50音を使って教えるのです。

この時の並び順は年功序列ではなく能力別です。1年目も10年目もおかまいなしです。一番になれる人は、高くて響きのある良い声を持つ人。最下位になる人は、声が低い人、歌が苦手な人、気弱な人だったりします。そして、中間にいる人は、そのどちらでもない人です。

この練習で面白かったことがあるのです。それは、最下位から始めて声を出させると、真ん中の声は低いままなのに、高い声を先頭にすると、「自分も負けてはいけない」と思って話声位があがるのです。つまり、真ん中は、集団で突出するタイプではなく、「みんなと同じにしたいタイプ」かもしれません。だから、高い声をきけば高い声を出し、低い声を聞いたら、自分も安心して低い声を出すのでしょう。このことは、物を教える私たちに大事なことを教えてくれます。それは、大人でも、子供でも、指導者の導き方次第で良くも悪くもなるタイプが存在するということだからです。

これを、園児に「音感かるた」や「歌唱曲」の訓練をする際に応用することをお知らせしました。クラスの能力を高めるためには、「良い子(1番)」を手本にして「中間(2番)」を競わせ、そのことが、意欲が乏しかったり、苦手意識のある子(3番)の能力まで高めることになるのです。木下式が落ちこぼれを防止するのは、こうした工夫です。

大人の先生であっても、自分が1番になれば嬉しそうな表情をします。また、失敗して順位が下がると恥ずかしそうで。喜んで発声訓練に取り組む教諭たちに、「園児たちに音感かるたを実践する時にも、今、先生たちが味わっている気持ちや意欲を持てるように、仕向けて欲しい。そして、それこそが、木下式の面白さであると伝えました。

理論体系を真面目に覚え、一所懸命取り組むことも大事ですが、強張った表情で面白くない説明を長時間、集中して聞かせるのが木下式ではありません。音感かるたを学ぶ子供たちに「面白い」と思わせるような魅力を持って、指導して欲しいと思っています。それは、講義の教本には決して書き記されていないことではありますが、教育を実践する上で誰より木下先生ほど、子どもの興味をひきつける指導者はいないと感じるのです。
by k-onkan | 2011-03-24 07:17 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

幼稚園教諭でもすごい

e0143522_7194196.jpg今日は、三重県の小西先生のご厚意で、通常のシニアクラスのレッスンに、千里丘学園幼稚園の教諭が参加する春期講習の代替講習を組み込ませていただきました。シニアクラスは、これまで「木下式」の「言語力を高めて歌唱に結びつける」という訓練を行ってきました。しかし、音感かるたや歌唱曲を用いた「木下式の体系」を詳しく教えたことはありません。なぜなら、シニアクラスに参加する方は、それぞれ、ピアノの先生など、音楽のプロであるからです。軽い気持ちで体系を学び、「木下式を理解したつもり」や「少しだけ木下式を利用して・・・」という考えを木下先生が一番、嫌うからです。音楽の専門家が木下式を勉強する時には、心底、この教育体系が持つ魅力を理解して、認定講師になるつもりで勉強していただきたいと思っています。

反対に登録幼稚園に所属する先生たちには、この講習会は、体系や理論を理解することに始まり、4月からの幼児の指導が待っています。実践的である必要があります。参加人数は総勢10人と少なかった分、10時から4時30分まで、いつもとは異なる形式で充実感ある講習であったと感じます。何より、震災の影響で3学期の最後に音感授業ができなくなった私には、講習会で教えられる喜びと、木下式の大切さを再認識させてくれました。

さて、この講習が有意義であった最大限の理由は、音楽のプロではない幼稚園の先生が、音楽のプロである大人の生徒に、木下式の理論体系を使って、音感教育を施したことでした。まず、幼稚園の先生がシニアクラスの生徒を園児にみたて、木下式の音感かるたを説明をして、意味づけを教えました。幼稚園教諭が気構えを持って、良い手本を示せば、シニアクラスの低い声が鮮明で力強いものになります。反対に、1年目の先生が目に涙をためて、たどたどしく、手本を示すと、シニアクラスの生徒さんも申し訳なさそうに、小さく低い声を出します。1年目の先生に意地悪をしているのではなく、どうにか、協力してあげたいと思うのですが、大人であっても、手本となる指導者の声の通りにしかならないのです。

幼稚園の先生の中には、新任の引率に同行したベテランのU先生の姿がありました。この先生は、千里丘学園の中でも指導力に定評のある先生です。U先生の音感かるたの説明は、「幼稚園の先生であっても、こんな指導技術を持ち、音感教育を行っている!」とピアノの先生たちに良い意味の衝撃を与えたのではないかと思います。

音楽のプロではない幼稚園の先生が指導する音感かるたによって、声が低かったピアノの先生の話声位が改善され、高い声で歌えるようになる。朝は出なかった声が、オクターブ近上げることができる。これこそが、「音感かるたマジック」だと思います。

一般の方には理解できないかもしれないのですが、これは、すごいことだといわなければなりません。何しろ、指導している方が素人で、指導されている方が、音楽を専門的に勉強しているのですから・・・。千里丘学園幼稚園の先生がこの経験によって自分の仕事に自信をもって、子どもの前に立てることを願っているのです。
by k-onkan | 2011-03-23 23:19 | 木下式音感教育法 | Comments(0)

こんな時こそ・・・

雨が降る中、早朝の新幹線で津にやってきました。無駄な電力を使わずに駅や町に電気を灯せない東京と較べて、東海地方の平常どおりの明るさは別世界のようです。通常通りに仕事ができない人もいる中で、地方に出かければ、仕事がある私は、とても幸せなのだと思います。朝から夕方まで休む間もなく、幼児から大人という幅広い年齢層に発声や音感を教えられたことが、地震後、初めて、私を地震酔いの不快感から解放してくれました。

e0143522_6483689.jpgさて、津に向う前日、私にはどうしても気になっていたことがありました。それは、宮城県の尚絅大学の土田先生の状況を確認していなかったことです。ロシアで勉強したピアニストの土田先生は、木下式について、論文を書いてくださった方で、春の講習会にも参加を予定されていたのです。もちろん、ひろせ幼稚園の廣野先生より、間接的に無事は聞いていましたが、個人的なお見舞いメールに無駄な電力を消費させてはならないと控えていたのです。しかし、仙台市太白区にもやっと電気が通ったことを知り、思い切ってメールを送ると、こんなご返信をいただきました。

「お蔭様でうちは皆無事です。ガスや水など不便はありますが命あることに感謝して生きております。おっしゃる通り、こんな時こそ音楽です。この近所も原発から80㌔圏内ということもあり、皆窓を閉め切り戸外を歩く人もなく、たまにバスが通るようになりましたが自家用車は全く走っておりません。死んだような静けさの中、力を込めて練習したら、近所の空気や雰囲気が変わった様に映りました。何もない中でこそ音楽の価値が上がります。西日本への講習会、どうぞお気をつけて。木下先生にもどうぞよろしくお伝えください」。

被災地で、不便な生活を強いられている土田先生のメールに、私の方が勇気づけられます。今は、まだ、いろいろな不安が続いていますが、被災地の東北の漁港や観光地、そして、土田先生をはじめ、大きな被害を受けた土地の方たちが一生懸命、生活をする様子を知れば知るほど、自分もしっかりしなければと思うのです。
by k-onkan | 2011-03-22 06:49 | 楽院だより | Comments(0)