麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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教育は未来のために

8月最後の土曜日は、福岡支部の保育園の先生たちが参加して、一日講習会を行ってきました。台風が上陸されるという予報に不安もありましたが、幸運なことに温帯低気圧に変わり、私は心置きなく講習会に打ち込むことができました。

e0143522_23753.jpg私はいろいろな場で、木下式を指導する幼稚園の先生、保育園の先生を指導しています。よく、「保育園や幼稚園の先生は音楽の専門家ではないのだから、専門的なことを教えられなくても当たり前」と言われることがあります。しかし、実は、音楽が分かるかどうかよりも、子どもの立場に立って考え、観察して、できないことがあれば手間をかける気があれば、木下式の成果をあげることができるのです。これまでにそういう指導者を何人も見てきました。ですから、「音楽の素人でないことを理由にせずに、研鑽して実践して欲しいと思っています。

今回、S保育園のある先生にとても感心しました。まだ若い先生ですが言葉や音楽に対する感受性が素晴らしいのです。なんでも、子どものころに音楽を習ったことがあるそうです。幼稚園や保育園で、才能にあふれた人に出会うと嬉しくなりますが、同時に心配もあるのです。それは、せっかくのセンスも教える機会がなければ、指導はうまくはなりません。結局、私たちは、子どもたちに育てられて、良い先生になっていくのです。そして、一人でも良い先生が育てば、まわりの先生もその影響から指導技術が向上して、園児たちに好ましい成果が現れます。園児たちの力を最大限に引き出すためには、私たち大人が園児よりも一歩先にいる必要があるから、休日を返上して、保育園の先生たちは講習会に参加してくださるのです。

私は木下式を受けた子どもに音楽の道に進んで欲しいと思っているわけではありません。小学校に入ったときやそれ以後、何かの折に「木下式が役に立った」といわれることが、一番うれしいことです。それは小学校に入ってからの学習意欲かもしれませんし、言葉がはっきりしていることかもしれません。人より音楽が好きなことや、人前で自信を持って話せることも木下式の成果です。しかし、一番、心配なのは、木下式を受けても、音楽の基礎もしつけ面も何一つ身につかないまま、卒園させてしまうことです。先生たちを指導する私が一番、責任を感じることなのです。

話は違いますが、最近、こんな話を聞きました。とある高校の音楽科では五線ではなく一線の楽譜にコード記号だけを読ませる授業をするといいます。それが文科省認定の高校ということは、つまり、正規の音楽の教育として認められていることになるのですが、音楽の世界で生きぬくためには、曲を作ったらそれを自分で楽譜にしたり、五線を読んで演奏できなければ、幅広い活動はできません。コード譜で演奏できることは、芸能界などで即戦力になったとしても、長い期間、音楽の世界で生き残るのは難しいことなのです。

さて、木下式が幼稚園や保育園で幼児期に教える課題は、歌唱力、聴音能力、楽譜の読み書き、和音感覚、リズム感などがありますが、これは、万が一、子どもが「音楽の道に進みたい」と考えたときに、どれ一つ必要のない課題はありません。だからこそ、幼稚園や保育園で、基礎を正しく教えておいていただきたいのです。将来、どの子が「音楽好きになって、音楽の道に進みたい」と言い出すか、分からないのですから。
by k-onkan | 2013-08-31 22:56 | 教育 | Comments(0)

家庭に代わるものはない

最近、我が家に遊びにきた卒業生が「麻奈先生、読んで」と言って、数冊の本を置いていきました。1冊は精神科医である著者がさまざまな母子関係の実例をもとに、子どもの問題が母親に起因していることが書かれていました。中でも気になったのは、「脳が形成される時期に愛着も形成される」ということでした。

e0143522_0551377.jpg「母親との絆は、いつまでも育まれるわけではない。生まれてから、1歳半までの限られた時間しか、安定した絆は形成されないのだ。それは子どもの脳で、オキシトシンなどの受容体がもっとも増える時期でもある。この時期を過ぎてしまってから、いくら可愛がったところで、もう間に合わない。不可能ではないが、その時間を取り戻すことは容易ではない」。(母という病(ポプラ社 著:岡田尊司)」)

この時期は母親がわが子に対して無条件に愛しいと感じて、子どもは母親に対して、「自分にとってかけがいのない相手」と確認することがとても大切なのだと思います。もちろん、生物学的な母親でなくても、特定の人と愛着関係を結ぶことによって、愛着ホルモン、オキシトシンの分泌が促され、子どもが安心感を持ち、ストレスを抑えることになるといいます。

よく、引きこもりや非行少年を持った親御さんが精神科のお医者様にかかると「親の愛情を感じさせることが大事です。問題を起こしている子どもは、親の愛情不足だから、わがままを受け入れてやりなさい」と指導を受けるという話を聞きますが、残念ながら、愛着関係を築くなら、それは、幼児が親の手助けがなければ食べることも、排泄もできず、生きられない時期、つまり、1歳半まででなければならず、10代も終わりになってから、子どものわがままを聞くことは何の解決にもならないと私は感じます。

本の中には、イスラエルの建国後、「キブツ」という農業共同体で行われた子育てについても書かれていました。子どもたちは親から離れて子どもの家で暮らし、専門のスタッフが昼夜、世話をしたそうです。母親は授乳のみ行い、それ以外は労働に従事しました。それほど女性の労働力が求められて子育てを効率化したということでしょう。しかし、その結果、愛着が不安定な子どもが急増して、大人になって対人関係の問題を持ったり、情緒不安定な傾向が見られたといいます。子育ての効率化は、社会のためであっても、子どもにとって最善のことではなかったのです。


最近は、待機児童が多く「何がなんでも保育園」という考えが当たり前になってきました。女性が自由に働けることも大事なことでしょう。また、女性も働かないと暮らせないという切実な事情もあると思います。しかし、子どもにとってマイナスなことを誰も本音で語れないのも怖いことです。

さて、二日間、木下式を実践する保育園の指導に来ています。保育園は働く両親の代わりに、子どもの安全を守り、衣食住を整えるという考え方がほとんどであることから、保育園で木下式を実践するのは、簡単なことではありません。しかし、現場の先生方は、少しでも最善な教育環境を与えるために、頑張っているのです。今日も、朝から晩まで、園児に音感教育を実践する様子を指導しながら、音楽の専門家でない先生たちが、一生懸命、園児に教える尊さを感じる一方で、それでも、幼児にとって、一番大事なのはお母さんであり、家庭であること、これを教育に関わる私たちは絶対に忘れてはならないと思う一日だったのでした。
by k-onkan | 2013-08-30 23:55 | 幼児 | Comments(0)

水泳も音楽も目標を持って!

水泳の進級テストがあるたびに目に涙を浮かべて帰ってきた4年生の甥Yが「プールが3級になった」と報告しました。水泳も級が進むと、ただ泳ぐのではなく、水をかくときの手の入れ方、指先などのフォームについても細かいことまで求められます。進級テストに通らないということは、コーチに言われたことを注意していない。それが分かるため、「意識が足りないんでしょう」と瑠音先生にしかられ、木下先生には「また、ダメか」とがっかりされるので、先に涙をこぼしていたのかもしれません。

e0143522_7411554.jpgそんな長い挑戦の後の「合格」は、みんなで喜びました。「運動神経が鈍い我が家の血をひいているのに、3級なんてY、素晴らしいぞ」とじじバカのように褒めていました。「やっと、お父さんと並んだね」と瑠音先生。実は義弟も子どものころ、同じ水泳教室に通っていたそうですが、プールが嫌いで「3級(四種が正しく50メートル泳げること)に合格したらやめてよい」との約束で、合格してすぐに辞めたというエピソードがあります。

「Yはどうするの?3級でおしまい?」と聞くと、「1級まで続ける」といいます。子どもなりに父親を超えたいという思いがあるのでしょう。木下先生も「自分に自信が持てるものは一つでも多い方がいいから、続けておけ」といいます。選手コースで水泳三昧になる予定はないようですが子どもが目標を持って何かを続ける気持ちは大切にしたいと思います。私も子どものころ、水泳を習わしてもらいましたが、全然、級が進まなくなり意欲を持ち続けることができませんでした。Yは、小さな壁を一つずつ越えて、どうにかここまで来たのです。

さて、小学生のお稽古ごとに対する考えは難しいものです。中学受験を前にお稽古ごとをすべてやめて勉強に専念する人もいます。しかし、長年、見てきて思うのは、勉強だけに専念した子よりも、気分転換に細々とでも音楽を続けた人の方が成功しているのです。これは、期間限定で「受験勉強だけ」に専念しても、人間の脳は勉強ばかりできるわけではないこと、また、人は、何か一つだけして生きていけるわけではありません。時間を有効に使うことを覚えさせる方が、有意義に過せるようです。得に、一番、心配なのは、勉強一色で希望校に入学した後、「もうしばらく勉強したくない」という気持ちになることです。しかし、すべてを犠牲にして勉強して入学した学校の授業についていくためにも、その後も勉強一筋の気持ちがなければ、ついていけません。そこまで考えて、何を選択するかを、考えておかなければと思います。

今日、大学生の卒業生が、「ピアノを教えて欲しい」とやってきました。なんでも、人前で発表したい曲があるのだそうです。彼は、小学生のころは決して模範的な生徒ではなく、ピアノの練習は、発表会のとき以外はしていないかもしれません。それでも、15分も教えれば楽譜にある音は覚えて、何の曲が分かるようになるのです。また、雰囲気があるので、練習を続ければ上手に弾けると思います。

ピアノを弾く彼を見ながら、私は、ある芸能人がピアノを習って結婚式で披露した姿を思い出しました。専門家に長時間、レッスンを受けても、ピアノを1曲仕上げるのは、音楽を勉強していない人には難しいことです。最後は、鍵盤に番号を振ってどうにかやり遂げたようです。

楽譜が読めて、耳で聴くメロディーを自分で判断できる。次に弾く音色を覚えて、弾く前に想像ができる。小さい頃から、楽院で学んだ子どもにとって、あまりに当たり前のことですが、一般の人にこれほど難しいことはありません。これができることで、楽器を始めるときに、どれほど容易であるか、このことは、できれば、小学校のうちに気づいて、ほんの少し目標を高く持って努力できたら、長い人生で自信が持てたり、心癒されたりするのに、と残念に思うのです。
by k-onkan | 2013-08-29 23:40 | お稽古事 | Comments(0)

勉強の前にする大事なこと

夏休み前に「しつけをしてほしい」と入学した4歳の男の子の授業を久しぶりに行いました。多少、ふざけたりはしましたが、自分から声を出して歌おうとする姿に、大きな変化を感じました。子どもを通して、お母さんの夏休みの努力を感じることができたからです。

e0143522_13501416.jpg音感能力を養うためにも、頭の良い子に育てるためにも、幼稚園や保育園に入園する以前に、親子で行うべきことがあります。それは、楽しんで五官を鍛えることです。そのためには、昔から誰に教わることなく自然にしてきたこと―声を出したり、歌ったり、踊ったり、絵を描いたり、歩いたり、体を動かしたりなどが大事なのです。この夏休みにお母さんが一生懸命、お子さんの相手をしてくださったはずです。

なにしろ、1ヶ月半前に、体験授業を行ったときは、音感かるたの説明は、「いやだ。やらない」とかんしゃくを起こしてカーテンの中に逃げ込み、知育教材も、最後まで取り組まなかったのですから大きな進歩を感じます。また、友達と一緒に授業に取り組むことにも抵抗を示していました。子どもなりに「自分にできないことがある」と気づき、それを怒っていたのでしょう。

3歳になっていろいろな勉強をはじめたお子さんのしつけが難しいのは、それ以前に、行うべき予備訓練を行えていないと感じます。それはのぞみクラスで行う事柄です。楽院のぞみクラスには、一歳十ヶ月~三歳の幼児たちが通ってきます。その中で、マットや平均台やトランポリン、うんていなどの器具を使って体を動かす習慣を育てます。また、ぎんなんの色分け三色に塗ったぎんなんを同色のカップに仕分けさせる)、木製の型はめやひも通しなど、頭で考えながら手指を使う機会を与えます。クレヨンでグチャグチャ描きをさせたり、手で紙をちぎりのりで貼ったり、はさみを使わせることもします。どれも、頭だけでなく身体機能を使うことに直結しています。また、絵カードを見せてはっきりと単語を伝え、目で見て耳で聴く練習をした上で、絵本の読み聞かせに導入するのです。

教具を使うときには、必ず、「机に座ったら、手はおひざ」「お話を聞くときは先生の目を見る」「先生がハイと言ったら真似をしよう」など、ルールを教え指示行動の習慣を持たせます。上手にできたら「あら、おりこうになったわね」とにっこりと明るく優しい声で褒めます。また、「やりたくない」と言う子には「今はお勉強の時間よ。お勉強しない人はライオンの部屋に行かなければいけないのよ」と毅然とした声で諭しながらお母さんのいない部屋の外に出てみます。

たいていの子どもは、お母さんから離れると静かになるので、「お勉強をしない人はおやつの時間は来ないし、お母さんと一緒に帰れないのよ」と教えます。子どもはわがままが通らないことを知って「じゃあ、やる」と言って教室に戻っていきます。のぞみクラスで行うしつけを家庭で応用すると、メリハリのある生活が送れるようになり、幼稚園など集団生活に参加する基礎となるのです。しかし、大事なことは、しつけは親の都合に従わせるためではなく、将来、社会の一員として、子どもが幸せに暮らせるようにするためであることを忘れてはなりません。
by k-onkan | 2013-08-28 23:49 | のぞみクラス | Comments(0)

2学期の授業が始まりました!

楽院は今日から2学期の授業が始まりました。合宿に参加した子どもたちは懐かしそうな顔をして、私たちを覗き込みます。肝試しやマラソンなどたいへんなことを大人と一緒に乗り越えたこと合宿では、先生とも友達とも馴染みが生まれているのです。合宿に参加していない子は、楽しい夏休みで楽院が何に気をつけるべき教室かを忘たような顔をしており、授業が始まると緊張の連続のようです。

e0143522_13261058.jpgどちらにしても、同じ気持ちで音感かるたに取り組めるように、学期の始まりは、私たちも気を使って、楽しい気持ちになるよう工夫します。しかし、優しくばかりしていると、本気になれないのが、子どもです。「いつまでも、ダラダラしない!」と私の声が怖くなると、急にピリッとするのです。幼稚園や小学校が始まるまでは子どもも夏休みモードで、音感の授業も、たまに雷を落としつつ、少しずつもとの状態に戻していかなければと思う2学期最初の一日だったのでした。
by k-onkan | 2013-08-27 13:21 | 楽院だより | Comments(0)

家庭で話し方を教えよう~3~

現代に暮らす子どもたちは気の毒です。まず、話をする相手は両親のみ、祖父母や兄弟がいたとしても、口をきかなくとも快適に暮らせます。子どもにきちんとした文章を話して欲しいと思うなら、私たちは、察しのよい大人を辞めなければなりません。子どもたちは、「これ」「あれ」という指示語や、「水」「寒い」という一文字で自分の気持ちを表そうとします。実際、私たちも授業中であれば、スムーズにレッスンを始めるために、すぐにコップを差し出したり、冷房を消すでしょう。

e0143522_2222264.jpg察しがよい人の存在は日常生活をスムーズにしますが、社会に出て自分の気持ちを相手に伝えるためにはプラスにはなりません。察しを悪くするというと、子どもの気持ちを理解しないことと考えるかもしれませんが、子どもが理解できない箇所を瞬時に見極め、それを解決させるために、どう手助けをすべきかを考える、つまり観察眼を駆使するのです。

口を聞けない理由は他にもあります。現代社会は、危険が多いため、都会でも田舎でもどこへいくにも親御さんが引率します。子どもが一人で活動しなければ、よその人と口をきく機会もありません。そのうえ、ゲームやコンピューター、パソコンなど、人と関わらずに自分だけで完結する遊びも多く手ごろに楽しめます。本を読むことより、先にゲームの面白さを覚えたら、本は読まないでしょう。

本を読まなければ文章を書くのも、難しいことです。低学年の子どもは文字をたくさん書いても、何が書いてあるか分からない、そんなことが多いものです。書いたものを自分で読み直す習慣がないこともありますが、言いたいことを整理できないからです。そんなときに、頭の整理をしたり、考えを引き出すきっかけを与える存在が大事です。

よく「子どもの作文を手伝うのはいけない」という学校の先生がいますが、それは、「大人の好みそうなこと」に書き直させることがいけないという意味であって、日本語の間違いは早期に直すべきだと思います。子どもと関わると、「絶対にこれを書きたい」「これは書きたくない」という個性が存在し、それがその人の心がある作文なのだと、私は思います。

親子の教室では「勉強する理由」というスピーチを親子で発表していただきました。スピーチをするために原稿作りをしましたが、その前にいろいろな意見を出して、頭の整理をさせました。子どもたちは意見を求められても面倒くさいと「べつに」「わからない」で済まそうとするため、事前にプリント形式で答えを用意させました。子どもたちは、勉強する理由に「頭がよくなるから」「脳が発達するから」と答えました。一見、正しく思えますが、これはどこかで見聞きした答えであって、本人の気持ちではありません。もっと具体的に考えさせる必要があるのです。

3年生の男の子は、「Mちゃんのお母さん、僕は、勉強する理由は字が読めなかったり、話が分からないと、会社に入って仕事ができなくてクビになるからだと思いますが、どう思いますか」。よそのお母さんに聞くときは、少し丁寧な言い方をします。「確かに話や文章が理解できないと仕事ができないので、仕事ができなければクビになることもあると思います」。自分の考えを働くお母さんに肯定していただき、嬉しそうでした。

「麻奈先生はスピーチしないの?」と言った子がいたので、こんな雑談をしました。「合宿で一緒になったAちゃんのおうちは、梨園でね。地域で一番、甘くて美味しいと評判なの。でも、木下先生の家の回りには他にも梨園がたくさんあるのね。その中で、一番、おいしくするためには、梨の病気について勉強したり、肥料は何が良いか、いつ水をやるのが良いかなどを研究したりしているから。これも、また、勉強しておかないとできないことなのよ」と話しました。

子どもは、初めて聞く話、知らない話が大好きです。特に、合宿で一緒になったお子さんには馴染みがあるので興味もあるでしょう。いろいろな人の意見をきくのが大切なのは、「勉強が大切」という同じ意見にもさまざまな考えや意見があることに気づくからです。また、同じ考えであっても、説明する人や立場が変わると、子どもが急に納得することもあります。

私が、「子育てはお母さんだけですべきではない」と思う理由がここにあるのです。子どもは小学生の中学年にもなると、お母さんを口うるさいと思うようになります。そんなときに、お父さんが社会的な目線で話すと、納得することもあるでしょう。もし、家庭の事情でお父さんが不在なら、それに該当する叔父さん、お兄さん的な存在や、大勢の大人と関わり、意見を聞く機会を与える必要を感じるのです。

お母さんは子どもにとって、一番、近い存在です。それゆえに反抗も早くやってきます。親の言うことを聞かなくなったときに、子どもに正しいことを知らせるためには、信頼できるよその大人が必要であり、大人と関われる人間に育てておく必要があります。そのためには、小学生の低学年のうちに、自分の考えを伝える力をつけること、そして、家族以外の人からも可愛がられる人間に育てなければと思います。家族が一番、居心地が良くて、親御さんとしか理解し合えないと、社会に溶け込む際に大きな苦労があるからです。

よその人に託すのは難しいことです。「他人に迷惑をかけないように」と言う気持ちも分かりますが、一歩間違うと、何でも自分だけで背負い込む人間になってしまいます。実際、誰にも迷惑をかけないで暮らせる人などいません。みんな誰かに迷惑をかけているのです。その迷惑は社会で他人のために返す、そんな人間に育っていれば、将来、一人で寂しい思いをすることはないと思います。「勉強する理由」は自分の利益も大事ですが、その先に他人のためを考えられる人に育てたいと私は思っています。人のために動ける人の周りには、人が集まり、幸せがあふれていると感じるからです。

今回、親子の教室を行って誰より勉強になったのは実は私でした。他の業界で働くお母さんの異なる視点は、とても勉強になりました。そして、何より、ありがたかったのは「麻奈先生は、本当に親御さんから愛情をいっぱいに与えられて育ったということが分かりました」と言っていただいたことでした。
by k-onkan | 2013-08-26 22:22 | 児童 | Comments(0)

家庭で話し方を教えよう~2~

私が、「子どものうちにきちんと話せるようにしなければ」と思うのは理由があるのです。私が小学校のころ、通知表には「口がきけない」というコメントをよくいただいたものでした。その度に、父はがっかりして、母は「私も子どものころそうだったから」とかばいました。親が幼稚園や学校でよその親御さんと口をきくタイプでなければ、子どもも当然、無口になります。

e0143522_2044510.jpg今、思うと、「口がきけない」ではなく、「頭の中で文章を整理して、適切なタイミングで自分の言いたいことを口にすることができない」と具体的に書かれていたら、母も私が口をきけるためにどうしたらよいかを考えたかもしれません。しかし、いくら「口がきけない」といわれても、家で自分のいいたいことはよく話すのですから、親としてどうしてよいか分からなかったはずです。その私が大人になって、「どこでも物怖じせず他人と関われるのは両親にはない能力」といわれるのですから、「麻奈が大丈夫だから、みんな大丈夫」と思っている節があります。

私が今、話すことが得意になったのは、幸運が重なったからに過ぎません。両親の職業柄、大勢の人と話す機会があり社会性はあったこと、本を読むことが好きだったこと、自分が言いたいことについては書くことが好きだったこと、お祖母ちゃん子で大勢の大人に囲まれて、他の人の意見をきくのが苦痛でなかったこと。そんな中で育ってアメリカに渡り、論理的に、文法を正しく話すことを訓練され、それが現在の話し好きに反映されているのです。しかし、実は、そのアメリカでも、「他人に嫌われているのではないか」「自分の言いたいことが相手に伝わらない」と日本人との関係を気に病んだ時期があったのです。それは、英語以前に、日本語で自分の思いを誤解なく伝えることが得意ではなかったからでした。

移民が多いアメリカはお互いに誤解がないように、相手の文章にあいまいな点があったり、文法に間違いがあると必ず適切な言い方で言い直しをします。余談ですが、アメリカの911(110番に該当)では、「通報した人の文章を正さない」というルールがあるほど、文章を直すのが習慣なのでしょう。英語を勉強していた当事、訂正される度に「これが正しい言い方なのだ」と口の中で繰り返して覚えたものでした。母国語でも子どもが変な文章を口にしたら、その場で正すという意識は大切だと思うのです。

日本語で自分の言いたいことを論理的に伝えられない人が、外国語を勉強しても、その力は、母国語以上になることはありません。英語を深く理解させたいか、ただ、自分の欲しいものを手にいれるための道具として、言葉を考えるかで、勉強の仕方は異なるのかもしれません。「世界にはいろいろな国があって、みんなが違う言葉を話すけれど、英語ができれば、話が通じるから勉強します」とスピーチしたお子さんがいました。そのお母さんが、「英語を勉強するのは言葉が分かることも大事だけれど、お互いの国の違い、習慣や文化を理解できたら、もっと仲良く慣れると思うから、だから勉強して欲しい」と言われました。

英語を勉強する理由、一つとっても、話し合うと、親御さんからも、子どもからも、次々と考えが出てきます。その中から、子どもは学んでいくものです。話しをするのが苦手なお母さんが、真っ赤な顔で緊張しながら、スピーチをするのが、「自分のため」と分かると、子どもはとても嬉しいものです。家庭では、親の願いを子どもに伝える機会を、意図的に用意する必要性を感じます。

そういえば、我が家は、話し合いはしませんでしたが、日曜日の夕飯は父と一緒の食卓で、いろいろな話を聞かされたことを記憶しています。緊張するその時間は、決して楽しい時間ではありませんでしたが、そのときに言われたことを、今、子どもたちに話している自分がいるのですから、やはり、自分の原点は、家庭なのだと思うのです。
by k-onkan | 2013-08-25 20:04 | 児童 | Comments(0)

家庭で話し方を教えよう~1~

今日は、夏休みの特別教室の二日目。小学生のための親子のお話教室をしました。小学生の子どもたちが片言でしか話さないことや、ピアノの先生から言葉の理解が浅いことを心配されていることから、通常のレッスン時間内に文章を書かせたり、発表させたり行ってきたのです。これをしないと、音楽を教える上で必要な共通の認識や言葉が理解させられないからですが、それに伴って聴音や合唱の時間が減るというジレンマに陥っていました。

e0143522_2031284.jpgなんとか、解決策を見つけたいと思い、数ヶ月前、私は「大人の話し方教室」に通ったのです。そして、物事を論理的に考えたり、相手に理解できる文章を書く力が大切であること、また、自分の文章を記憶して、発表できる練習が大切だと実感しました。そして、この問題を解決するにはご家庭でも、ご協力いただく必要があり、親子教室を開くことにしたのです。

その中でお話したのですが、中学、高校になって問題を抱えて私に相談に来る卒業生に共通することが、自分で問題を解決する力が弱いこと、他人と関わる言語力が弱いこと、また、親御さんの考えを正しく受け止められていないということなのです。親子で会話をしても、実際は、子どもに親御さんの気持ちが正しく伝わっていないことがたくさんあります。

たとえば、今日、参加したMちゃんは名前の由来を「お父さんがつけてくれた名前」と信じていましたが、お母さんに「お父さんと、お母さんでつけたのよ」と言われて、びっくり。「そうなの?」。名前の漢字には二つの候補があり、どちらにするかをご両親が議論を重ねて、お母さんが選んだ漢字になったそうです。家族の会話で何度も話に出してきたことのようですが、子どもは、自分が聞きたいことしか聞いていないものということが分かりました。

実は、これは合唱のときに、私たちが子どもを叱る理由と共通点があるのです。どんなにその場にじっと立っていても放心していて、真剣に打ち込んでいなかったり、指揮を理解しようとしなければ、叱られるのです。与えられたメッセージは受け止める努力を子どもにもさせなければなりません。実際の生活でも、ご両親が話していることを、子どもが聞いているかどうか、大人は観察して見逃さないようにしなければならないと思うのです。親御さんがふだん子どもに伝えるメッセージが、その子が長い人生を生き抜くための考えになるのですから。
by k-onkan | 2013-08-24 23:18 | 児童 | Comments(0)

みんなで育てなくちゃ!

今日は、2歳から4歳のお子さんと親子教室を開きました。その中で、考えさせられることがありました。それは、やはり、保育園で育つのと幼稚園で育つのは、まったく同じ環境ではないということでした。

e0143522_12541544.jpgクラスに参加したCちゃんは、意欲があってとてもおりこうな女の子です。しかし、音楽はあまり得意ではなく楽院で苦労しています。ただし、長く楽院に通うお姉さんに追いつきたいとの意欲があること、そして、お姉さんの影響もあり、4歳上のお姉さんに比べれば、ずっと苦労なく音感や歌唱を身につけていっています。

そのCちゃんが、この夏、初めて合宿に参加しました。何より、肝試しが怖かったようで、合宿後、3週間経った今も、怖がりって働くお母さんを困らせているそうです。しかし、私は「怖い」とか「辛い」という感情が出せるようになったことを、本当によかったと思っているのです。なぜなら、音感の勉強を始めて1年半、経った今でも、私たちに、喜怒哀楽の表情を見せず、ただ、一生懸命、頑張るCちゃんを実は内心、とても心配してきたからです。それにはこんな理由がありあす。

被災地で集団避難所に陽気なラテンの音楽で慰問演奏に行った知人から、こんな話を聞いたのです。演奏が始まると次々と人々が泣き出したそうです。「大変な目にあった人に、演奏を聴かせて、よかったのだろうか」と心配すると、慰問を手配した世話役の人が、こんなことを言われました。人は24時間、集団生活をしていると知らず知らずのうちに喜怒哀楽の感情を表現できなくなっていくのだそうです。それは、音楽によって引き出されたから涙が出たのだから、良いことなのだと説明されたそうです。私は、保育園で生後数ヶ月から集団生活をする子どもも、同じではないか、集団の中で「いい子」に暮らし、喜怒哀楽を見せる機会が少ないのではないかと感じました。

2歳~3歳までの幼児は特定の大人と愛着関係の中でわがままを見せて「これは許されるか」「これはしてはいけないのか」を学びながら成長するものです。しかし、保育園では、一番自己主張の強い子が見せるわがままによって「こういうことをしてはいけないんだ」と学ぶでしょう。そして、お母さんと二人になったときに、わがままを真似して、お母さんを困らせるのかもしれません。

さて、このCちゃんのお母さんが、絵を描いても、歌を歌ってもとても上手なのです。お母さんの声が悪いと、子どもの声が悪いって、言ってきた木下先生の説が間違っているのではと思うほどであり、これでは、娘たちが少し頑張ったくらいでは追いつきません。「お母さんは歌っても、絵を描いても素晴らしいですね」。子どもの前でお母さんを褒めてしまいました。すると、「それだけ、私が子どもたちを育ててこなかったってことですね。幼稚園で育つのと、保育園で育つのってこんなに違ったんですね」と言われました。私は「お母さんを育てたお祖母さんのおかげですね」といいました。そのお祖母さんが、今、Cちゃん姉妹を一生懸命、楽院に連れてきてくださっているのです。

幼児期は一緒にいる特定の大人から多くのことを学びます。保育園の中で集団の中だからこそ学べることもありますが、特定の人から、1対1で学ぶ重要性もおざなりにはできません。だから、全ての人が、保育園思考になることが、私は心配でならないのです。長年、幼稚園育ち、保育園育ちを教えて、やはり、保育園の子が気の毒だと思うことが多くあるからです。もちろん、親元にいるなら何でも良いというわけではありませんが。

どうしても保育園に預けなければ子育てができないなら、せめて、親御さんは、休みは子どもと十分に時間を過ごして、声を出して、歌ったり、絵を描いたり、体を動かしたり、遊んだり、料理をしたり、たくさんしてください。保育園は、働いているお母さんの代わりに、食べさせて、着せて、安全を守ってくれますが、一人ひとりの子どもの能力を伸ばす余裕は、先生自身にもありません。結局、子どもは幼児期、児童期に教えられたことがその人の力となります。今の時代は、親だけ、保育園だけ、幼稚園だけ、おけいこごとだけでは一人前に育てられることはできません。みんなで力を合わせて育てなければと思う親子教室だったのでした。
by k-onkan | 2013-08-23 23:53 | 教育 | Comments(0)

お母さんを良い先生にしよう!

もし、将来、お母さんが難しい病気になって家事をするのも億劫になったとします。そのとき、「病気でも、なんでも、家事はお母さんの仕事だから、ご飯を作って」という子に育って欲しいですか。「お母さん、大丈夫? 何か、手伝おうか」と労わる子に育ってほしいですか?

e0143522_234329100.jpg「お母さんは、仕事が忙しいから、手をわずらわせないで」とお子さんの気持ちに関係なくお母さんの都合に合わせて育てた子のお母さんが病気になったら、「私は勉強で忙しいんだから、お母さんは病気になんか、ならないでよ」という考え方になるでしょう。もし、お母さんが忙しくても、最大限、子どもの心の成長にも目を向け、自分を犠牲にしても、子どもとの時間を大切にしてきたなら、「お母さんが勝手に病気になって私に迷惑をかけて」と思う子には絶対に育たないはずです。子どもを賢く、優しい子に育てるためには、やはり、親御さんの努力が必要です。

よく、「心の優しい子に育てる」というと、勉強をさせてはいけない思う方がいらっしゃるようです。もし、頭の良い子は心が優しくないと感じるなら、それは、「勉強さえすれば、後はどうでも良い」という育て方をした結果です。実際は、心が優しかったら、その分、頭も良くなるように育てておかないと、子どもにかわいそうな結果が待っていることがあります。

たとえば、病気の母さんのために子どもが「何かしてあげたい」と思ったとします。この時、お母さんのために、栄養のある食べ物を盗んできたら、どんなに優しい気持ちがきっかけでも、それは犯罪で社会からは受け入れられないでしょう。そこで、知識や知恵が必要になるのです。本を読み、他人の意見を学んだり、人の話から情報を得たり、記憶する力を備えるためには、学習が欠かせません。幼児期に子どもを頭をよくするためには、その前段階として、遊びを通して五官を鍛え、感性を磨くことが大切なのです。

小さい子を持つお母さんに、このことをご理解いただくために、明日は、午前と午後に親子で絵の具を使ってお絵描きをしたり、漢字カードを作ったり、音感かるたを使ってお母さんにも歌っていただく体験クラスを開催予定なのです。子どもにとって、一番、良い先生は、どんな有名なお稽古事の先生より、お母さんす。お母さんが良い先生になる方法をお伝えします。各回、数名であれば、空きがございます。
by k-onkan | 2013-08-22 23:42 | お稽古事 | Comments(0)