麻奈先生のブログ~木下式の子育て論~
by k-onkan
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作者について
木下式音感教育法認定講師
  木下麻奈
     
 木下式の基本は、幼児期に「躾・規律」を教え、高度な音楽基礎教育を施すことです。詳しくは、ホームページをご覧ください。http://www.kinoshita-onkan.com

イラスト:「ケイ&シュート」
 By ケンイチ・シライ
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泣いても怖くないけど、泣き止んで

恒例の三重県の教室で、1歳4ヶ月からベビークラスで関わってきた3歳の女の子のレッスンがありました。小さい頃からお付き合いしているため、たまにしか会わなくても、「ぐんぐん伸びている時期や少し停滞している時期」は分かるものです。そして、今回のレッスンは、残念ながら、少し頑張れない最中に当たってしまったようでした。

e0143522_20242664.jpg最初に、それに気づいたのは、「お母さんにお稽古を見てもらう?」と聞いた時です。女の子は「帰っていい」と答えたのです。たった3歳でも、小さい頃から、木下式を受けていると、いろいろなことに敏感で、「今日はお母さんに見せても大丈夫」「今日は、見せない方がいい」と理解しているように感じます。ちょうど、私たちが、調子がよい日は、苦手なことも簡単にできて、落ち込んでいる日ははかどらないことを知っているようなことかもしれません。

そんな時期のレッスンで、しかも、私のレッスンだったので、女の子はメソメソと涙ぐみ始めました。何度もしつこく口型を訂正されることが、辛かったのかもしれません。もしかすると、涙を見せれば、私が諦めて、指導を緩めると思ったということもあるのでしょう。

教室の先生から「最近、すぐに涙を見せて、最後まで、レッスンをスムースにさせてくれない」という相談がありました。子どもが注意されて泣く時は、「できないことが悔しい」こともありますが、「泣けば、面倒くさがって大人が諦める」と知っていることもあります。この女の子も、力を十分に発揮するより前に、涙を見せ始めました。

最初は、ひざに乗せて、「頑張れ、頑張れ」と優しくなぐさめてみましたが、いつまでも、私が優しい声を出していると、気持ちをふっきることができないと思い、「麻奈先生は、Tちゃんが泣いても、こわくない。それより、口の型を直してくれないと、おけいこが終わりにならないから、早く直そう!」と伝えました。それでも、しばらく泣くことで、私に抵抗していましたが、最後は諦めて口の形を直して取り組み、ご機嫌で帰っていきました。

子どもが泣くとお母さんが申し訳なさそうにされるので、こちらが恐縮してしまいますが、音感を教えている間に、女の子は一度は、「自分と先生のどちらが主導権を持つか」で争う時期があると感じます。そして、この戦いには、負けると、その後、指導に従ってくれなくなるので、絶対に負けないようにしています。

とはいえ、調子が悪い時期は、だれにでもあるものです。特に、2歳半下に愛想のいい弟くんがいるので、お姉さんらしくしていると、可愛がってもらえないばかりか、大人でいることを求められるため、少し、甘えたい気持ちもあるだろうと感じます。お母さんには、弟くんがいないところで、お母さんに抱っこしていただいたり、スキンシップをとったりすることをお願いしました。そうした、心のケアが、外の社会に出て、頑張る原動力になることもあるからです。
# by k-onkan | 2017-09-25 20:23 | 幼児 | Comments(0)

ひらがなカードは万能じゃない

「ひらがなカードの作り方」を卒業生ママたちに伝授すると、「麻奈先生、講演をしたらいいのに…。講演を通して、木下式の良さも分かってもらえるかもしれないし……」と勧められました。でも、私の答えは「ダメ、無理」と後ろ向きです。

e0143522_18243153.jpg
確かに、一般のお子さんにも、この方法を行ったら、ひらがなは多分、読めるようになるのかもしれません。しかし、次々と出てくるカードの名称を瞬間的に思い出せなかったり、新しいことを覚えると前に覚えた単語を忘れたりすると、苦手意識を持つこともあり得るのです。これが、「カードによる学習」がオールマイティではない、と一般で言われる所以だろうと思います。

私が、「ひらがなカード」を勧めるお子さんは、木下式の訓練によって、「音感かるたの図柄を見たら瞬間的に覚える」「指導者が母音を意識して手本を示したら、間髪を入れずに、鮮明に復唱する(全先導)」「解答の一部を教えたら、残りを自分で考える(部分先導)」という課題を難なく吸収でき、はっきりと日本語の発音ができるようになった2~3歳児です。

一般では、文字の読み書きというと、まず、読み方を教えて、書き方を教えるものです。そのため、それぞれ、読み書きはできるようになりますが、それを声に出して読ませると、その日本語が不明瞭なことがほとんどです。けれど、視覚と聴覚、そして、自分の喉を駆使して身につける木下式は、日本語の発音と響きが基礎です。そして、自分が作る響きを合致する「文字」が存在するから、幼児期にひらがなを教えたくなるのかもしれません。つまり、木下式の言語訓練は、幼児にとって文字を読むための前段階となり、土台にもなるということになります。

幼児期に文字を読ませる以前に何より大切なのは、日本語を正しく発音できることです。そのため、木下式を学んでいても、まだ流暢におしゃべりができない子どもには、「平仮名」や「文字」を教えることはありませんし、一般の方に講演するなら、「文字より先に発音を正すこと」の重要性を感じる方でないとご理解いただけないと思うからかもしれません。
# by k-onkan | 2017-09-24 18:51 | 教育 | Comments(0)

木下式でひらがなカードを作ろうー2-

市販でも、50音を使ったひらがなカードは存在するはずです。けれど、そこに使われている単語は、幼児が平均的に興味を持ちそうなものです。しかし、子どもには、それぞれの生活習慣や個性によって好むものが異なります。それは、生徒二人にカードを作った時に、痛感しました。

e0143522_1330362.jpg「みそしるが好き」と言った女の子と最後まで「50枚のひらがなカード」をつくったら、きっと「うめぼし」「にぼし」「こめ」「みそ」「せんべい」というカードがでてくるかもしれません。アレルギーによって食餌制限があるこのお子さんの家庭はなんでも、手作りです。子どもにとって、一番身近なものは、家庭にあるものです。

それぞれの子供が、思いついた単語をお母さんがカードにしたら、それは、貴重な教材になります、万が一、ひらがなは読めなくても「あ…?」「い…?」と部分先導をしたら、「あかね」「いぬ」「うさぎ」とあたかも読めるかのように口から単語が出て、こたえられるはずです。

幼児教育で一番、大事なのは、子供に「できた」と思わせられることです。子供に苦手意識を持たせず、「学ぶと楽しい」「自分はできる」と思わせられない方法で、早期教育をしても、子供は楽しくありません。お母さんが作ってくれたカードは、毎日、使い続けることで、文字を塊(パターン)で読むことや、カードに存在しない単語も、自分から読もうと思えるようになると思うのです。

ただし、この方法で教えられるお子さんは、「あいうえお」の発音が明瞭で、幼児音がなく、正しく50音を発音できることが前提です。お子さんが、口をきけなかったり、言葉が不鮮明なうちは、カードでひらがなを読ませるよりも、50音の発音を正しく教える必要があります。さもないと、「からす」を「たらす」と読み、「か」と「た」の区別がつかなくなることがあるからです。
# by k-onkan | 2017-09-23 13:32 | のぞみクラス | Comments(0)

木下式でひらがなカードを作ろうー1-

先日、「わが子が文字に興味を持たない」というお母さんに、市販の「あいうえお絵本」などを勧め、子どもが日々の生活や遊びの中で、お母さんと一緒に文字に親しむ機会を持てるように環境を整えることをお知らせしました。

e0143522_13192262.jpgその話をして思い出したことがありました。それは。私が子どもの頃、我が家の至る場所には、「箪笥」「冷蔵庫」「椅子」「机」「炊飯器」と漢字カードが貼ってあったことです。幼い子どもには、「ひらがな」より「漢字」の方が覚えやすいとする漢字教育の話を知り、母が貼ったそうです。

当事、2歳だった弟は、段ボールいっぱいの漢字カードが読めるようになったといいます。そのためでしょうか。学校の成績はともかく、私も弟も文字を読むことが苦にならず、よく本を読んだと思います。

しかし、すでに木下式を受けて、線上音の読み書きを始めた2歳児には、漢字より「ひらがな」の方が分かりやすいようにも思います。そこで、カード用の厚紙を私て、「ひらがなカード」を作っていただくことにしました。

ひらがなカードというと「あ」「い」「う」と一文字ずつをカードにしてしまう方がありますが、最終的に、単語や文章を読む際には、固まりで読める力が求められるので、単体でひらがなを教えるより、「パターン」で教えた方が覚えやすいのです。そこで、わが子に「あがつくものは何かな?」「いがつくものは何にしようか?」と相談しながら、50個の単語をひらがなカードにするようにお知らせしました。

子どもが10人いて、「あがつくものは?」と聞いたら、10通りの答えが返ってくるはずです。わが子にとって一番、身近なものの名称で、カードを作ることは、たとえ、かなが読めなくても、単語を思い出せば、読めるはずなのです。

ちょうど、近くに2歳児が二人いたので、「麻奈先生がカードを作ってあげよう」と声をかけると、嬉しそうに近づいてきました。「あがつくものは?」「あかね(仮名)」と自分の名前を口にしました。確かにに自分の名前は一番、身近で一番覚えやすいものです。「いは何にしようか?」「いぬ」「うは何がいい?」「うさぎ」……。返ってきた単語は、ほとんどが、ベビークラスの頃から親しんでいた動物カードの名称でした。

そばで見ていた、もう一人の女の子は、「さ」から始まるひらがなの名前を持っていたので、「さは、さつき(仮名)にしようね」と1枚、「いがつくものは、いぬじゃなくて、いす」というので、「いす」もカードにしました。3枚目は、好きなものをカードにしようと思い、「好きなものは?」というと「たべもの」という答えが返ってきました。「どんな食べ物?」と問うと「みそしる」というので、「みそしる」カードを作りました。<つづく>
# by k-onkan | 2017-09-22 23:18 | のぞみクラス | Comments(0)

長く幼児を泣かせない理由・・・

1週間ほど前のことです。レッスン前に、2歳児の女の子が、寝起きで大泣きしてしまいました。その声は、地下にある楽院まで、響いたので、慌てて迎えに外まで出ました。幼い子供が泣くのは仕方がありませんが、その後の対応で、泣く時間を短くすることはできるものです。

e0143522_1058385.jpgお子さんが、レッスンの直前に泣くと「厳しいレッスンを嫌がっている」と親御さんは思われることでしょう。確かに、幼い子どもに「ダメなことはダメ」と大人には言えないほど(大人はその言葉を受け止め、改善することができないから)はっきりと指摘をするので、「あんなに厳しくされたら、つらいだろう」と想像されるのでしょう。

でも、ベビークラスから通ったお子さんは、それぞれの気質や長所短所を含めて、知った上で、指導してきたため、「厳しく言った方がいい時」「優しく慰めた方がいい時」を使いわけて指導しています。また、小さい頃から、少しずつ苦手だった課題を克服して、音感のレッスンに移行しているので、実は、子どもたちは、「それは、ダメ」とか「コラ」と声をあげられても、あまり、怖くはないのです。また、先生の言葉に従って、気を付けようと思えば、気を付けられるだけの、素地は身に付けています。

では、望クラスを経て、音感レッスンにあがった子どもが、なぜ、楽院の前で、大泣きするのでしょうか? 

たいていは、「レッスンそのものがイヤ」というより、「まだ疲れているのに…」まだ眠いのに…」「今はそういう気分じゃないのに…」「絵本を読みたかったのに…」「ママと仲良くしたかったのに…」などという理由で、昼寝から起きたら、「楽院で、すぐレッスン!」という状況は、全身拒否したくなるのだろうと思います。

この話を実際に、子ども時代に楽院に通った卒業生ママにすると、「楽院に来たら『やることはやらなくちゃ!』ということは、子供心に分かっていた。でも、寝て起きて楽院にいたら、それは、すごくつらいと思う」と想像できるようです。これは、楽院のレッスンだけではありませんが、幼稚園でもお稽古事でも、どこかに出かける時は、時間に余裕を持って、その場所で、本を読んだり、水を飲んだり、心を整える時間は大切だと感じます。

楽院前でわが子に泣かれたお母さんは、とても気にされて「今後は、泣かせないように気を付けます」と言ってくださいましたが、実は、楽院の前で泣くことで「スパルタだと思われること」ではなく、泣く子どもを連れているお母さんの「まわりからの評価」、そして、聞分けなく大泣きする子どもに対する「まわりの冷たい目」の方が心配だから、「泣かせない工夫をしていただきたい」と思っているのです。
# by k-onkan | 2017-09-21 23:48 | 幼児 | Comments(0)